年頭の御挨拶を申し上げます。         本年も宜しくお願いします。

                                2015年 1月1日      斉藤 孝


 

「花花・酒酒」 花咲か爺  

「花花・酒酒」の毎日でした。大好きなガーデニングに励み、花咲か爺」と呼ばれています。パソコン修理、大工、庭仕事、便利屋などの合間、海山自然の中を歩きまわっ平穏な一年でした。

最愛の母親トミは94歳になりました。昨年末は危篤状態であり2014年の新年は喪中になるかと心配しましたが、母親の持ち前の気力により奇跡的に回復しました。そんなこともあり昨年の新年・年頭の御挨拶をいたしませんでした。心からお詫び申し上げます。

アルカディア  「定常型社会」

不便をこよなく愛したいのですが、日本は何処にいても自動販売機が並ぶという奇跡の国。人口減で不便でもアルカディアを夢見ています。感銘を受けたのは広井良典が提唱する「定常型社会」という構想。定常型社会とは人口と経済の成長が限界に達した社会のことです。一切の成長を断念してあえて生産の膨張をこれ以上求めない社会でもあります。これまでの経済の持続可能成長論では資源枯渇と環境破壊、そして貧富の差が拡大するだけ です。日本は豊かな田園が広がりますから、そこに大きな家と庭や畑を持ち、最先端のITを活用できる定常型社会も可能です。

 

癒される庭

どこも猫の額ほどの小さなですが、四季の植物に癒される庭を設計してきました。 玄関先の壁に英国で見たハンギングを真似て大きなバスケットを作りました。サフィニア、フォクシャ、紫のロベリア、パゴバなど10種類も混ぜました。

カラーリーフ

芝を剥がし、レンガブロックを組み込み、その隙間に紫色のヒューケラを植え込みカラーリーフを楽しみました。真冬でもリーフがまるで紅葉したかのように綺麗です。タイム、ローズマリーの香と味をワイングラス片手に堪能しています。見ているだけでも癒されます。できるだけ自然な感じにしたナチュラルガーデンを目指しています

 

 

 

 

 

 

 

 

孫からスキーの再教育

孫の悠真に庭仕事や工作などを伝授しましたが、山歩きは何とか誤魔化せてもスキーのレッスンはとてもついていけませんでした。孫からスキーの滑り方を習いました。

悠真は湯沢で4日間のスキー合宿を経験。ストック無しで全制動でスイスイと滑って行きます。私は50年前のシュテムボーゲンで追っかけますが、とてもついていけません。昨年は追いつこうと無理をしたせいで捻挫しました。体力とバランスの衰えを 痛感した孫とのスキーでした。

 

 

 

 

 

 

アウトドアの楽しみ

植物を育てる楽しさを実感させる。昨年から悠真にアウトドアの楽しみを伝授しています。模型工作 、穴掘り、庭掃除など。最近はガーデニングの楽しみを伝えています。土作り、肥料の必要性。花々の種類によった植え方と育て方の違い。鉢植えではコンテナの選び方、ゴロ土、腐葉土、堆肥などのブレンド。植えつけた後の水やり。やや過剰なガーデニング教育を実施しました。大学生と違い悠真は実に素直に従ってくれます。大学教授の頃は私の教え方が まずかったのか熱心な受講生はなかなか見つかりませんでした。深く反省しています。

 

 

 

 

 

 

追悼の山旅  紅葉の五色温泉

昨年2014年は安静を保つ母親の介護もあり国内外の旅は慎みました。軽井沢周辺の山々や新潟と 紅葉の 五色温泉に行きました。なかでも新潟長野の県境にある苗場山は50年前に亡くなった後輩を追悼するという思い出深い山旅でした。私が大学2年生であった時に事故死しました。50年前の事故現場で「古き友集い、語ろうは過ぎ日の旅、山の想い」という山の名歌を大声で歌いました。残雪が残る苗場山の広大な湿原には沢山の美しい池塘がありました。50年前に来た春にはまったく気がつきませんでした。あれから50年。湯沢の駐在所に事故を届に走り下った岩と泥だらけの山道を懐かしく感じました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

噴火の脅威  冬山の魅力 突然「ドカン」と大きな音がした。驚いて音がした方向を見ると、石を空中に飛ばしながら、一気に煙が噴き出していた。これは、9月27日に起こった御嶽山の噴火から命からがら生還した登山者の言葉です。毎年の登る浅間山も噴火の脅威にさらされていますが、真冬の浅間高峰は雪で静寂でした。道なき雪原を縦横無人にスノ ーシューで歩くと吹雪の中でも汗だくになりました。凍傷寸前までに冷え切った手足の指先を温泉の熱い湯が温めてくれます。そして雪見の熱燗。こたえられない冬山の魅力です。

ガーデニングは元気の源

有り余る時間をガーデニングに費やしました。5月から始まる薔薇の開花のために新たに20株の大苗を植えました。アーチやフェンスを使った立体的で見ごたえのある手作りのガーデングッズを配した絵になるような庭。みなさんを招待できるようなオープンガーデン。その時に楽しめるワインの味までシミュレーションしています。

どんな狭いスペースでもできるナチュラルガーデンを設計してきました。日当たりが悪い場所で草花を育てるためには、日陰に強い植物を選ぶ必要があります。日当たりが悪いからといってあきらめないで草花を庭の片隅まで植えつけています。 

 

 

 

 

 

 

 

 

本からの解放

 大学を退職してから専門書と学術資料を全て捨てました。私の著作である膨大な論文抜きずりや寄贈書も一切合財処分しました。本箱もロッカーも空っぽになり、知的減量を実現できました。本も読みたくなく本屋も図書館にも行きたくありません。本から解放されて血圧も正常になり健康的な毎日 です。新聞も読みたくありませんが、非常に興味があるのは週刊誌の新聞広告です。見出しの付け方には毎度感心しています。

読書無縁病

ホームレスが岩波新書を読む活字大国の日本です私の研究著作『デジタルメディアの情報インデックス・・・』は次のように述べています。

いつの間にか家庭からVHSDVD、そしてBDも消えてしまい収納ラックも無くなった。さらに本箱も無くなり部屋が見違えるようにすっきりした。あらゆるメディアがWebに吸収されたからだろう。残ったのは一枚の電子の書板(タブレット)だけである。書籍の活字も電子タブレットで読めるようになった。活字という表現は、文字を印刷する書籍のために生まれたのであるが、電子書籍の発展に伴い「活字離れ」がさらに進み、「活字文化」は衰退するのだろうか。どうやら私もタブレット(パソコン・スマフォ)依存による読書無縁病を発症したようです。

 

 

仲間と集う失楽園

湘南の海では江ノ島でヨットを楽しみました。ただし帆を張り外洋にセーリングしたのは半時程度。港内で魚の餌になるはずのサリを味噌汁に入れて、「酒酒・笑い笑い」の一日でした。松井田農園のワイン用葡萄の収穫は惨めな結果に終わりました。病気、害虫、長雨など原因を検証しました。ところが希少な葡萄から生まれたワインの味は旨かった。感激でした。

忘却とは忘れ去ることなり

もともと何事でも感激する性質ですが、この歳になると涙を伴う傾向があります。涙もろくなりました。うまい酒を飲む。うまいものを食らう、素晴らしいドラマの画面、景色、自然脅威、感動的な言葉、花々の美しさ。涙腺が緩くなり涙がポロリ。そしてワインを飲みたくなる。自己診断では痴呆症の始まりとあきらめました。

 

 

話題は無限ループ

善き友と集まっては飲み、食べ、笑い、歌い、時勢を憂い、お互いの健康と痴呆の程度を慰めあっています。多くの話題はループし同じことの無限の繰り返し、また奴のあの話かとお互いに目を反らして飲んでいます。次は誰が介護ホームに入るのか。老いらく婚活では後妻業に注意。100円ショップのエンデ ィングノートの書き方。50年前の不祥事による遺産相続。ありがたい人生です。73歳になりましたが、溢れる好奇心と青年の心を手放さずに残された時間を大切にしていきたいと思います。

 

       

 

個人Webサイト http://www.rr.em-net.ne.jp/~saitotac/index.html

   みなさまのご健康と御活躍を祈ります。        2015年 1月1日   

                             斉藤 孝


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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