年頭の御挨拶を申し上げます。

 本年も宜しくお願いします。 2019年1月1日  斉藤 孝


「You Raise Me Up」
人間の完成は理性の完成であり、哲学こそが人間を神に導く。

これはマイモニデスの言葉です。

私にとり耳の痛い話です。未だに生臭い欲望に満ちた後期高齢者。自分が認知症になりセクハラでも起こしたらどうなるのか。

    You raise me up, so I can stand on mountains;
   You raise me up, to walk on stormy seas;
      あなたの励ましで、山頂に立つこともできる
      あなたの力づけで、荒れすさぶ海もわたろう

「You Raise Me Up」は勇気を与えてくれる素晴らしい歌詞です。


地球という広大な空間
2018年も多くの海外旅行を楽しみました。
カタールのドーハやエミレーツのドバイは今や巨大なハブ空港となり、世界中の国々へも飛ぶことのできる便利なゲートウェイとなりました。
イスラエルの若者は頭にキッパと呼ぶ小さな帽子を付けていました。「シャローム」と呼びかけると嬉しそうに微笑んでくれました。私が3回もイスラエルに行きましたというと、貴方はユダヤ人ですかと逆に質問してきました。今度は「サッラーム」とアラビア語で、続いて「神は偉大なり(アッラーフ・アクバル)」と答えると大笑いになりました。その若者に尋ねてみました。マイモニデスというユダヤ人の哲学者を知っていますか。

(左 トリーアのカール・マルクス展 右 キプロスの正教会)

マイモニデスの足跡


2018年前半の海外はマイモニデスの足跡を辿るような旅でした。
スペイン、モロッコ、カナリア諸島、キプロスとマルタなど回りました。マイモニデスは13世紀にアンダルシアのコルドバで生まれました。
多くのユダヤ人のようにモロッコ、チュニジアなどマグレブを彷徨い、エジプトに行きました。途中、パレスチナではエルサレムで修行し、十字軍との戦いで勝利した英雄サラディンに仕えました。医学・神学にも精通していたアリストテレス主義者でもありました。
モーセ・マイモニデスは暗黒の中世をルネサンスへと導いたヒューマニストでした。

カール・マルクスのトリーア
2月の厳冬期、ベネルックス諸国を訪れるためドイツのデュッセルドルフに入り、コブレンツからライン河下りをしてボンに行きました。ケルンでカーニバルを見物した後、アーヘンとトリーアに行きました。
2018年はマルクス生誕200周年でもあり、マルクス像を見物する中国人「紅色旅遊」の旅行者で賑やかでした。

フェルメールの『真珠の耳飾りの少女』
その神秘的な魅力から「オランダのモナ・リザ」と称賛されるそうです。
少女は、体は横を向きながら、肩越しに顔をこちらに向けようとしています。
口元は少し開き加減で、唇の濡れた感じです。
映画化された少女役のスカーレット・ヨハンセンの唇も官能的で適役です。

レンブラントの『夜警』
迫力ある人物描写です。市民自警団が出動する瞬間を描いています。
黒い服に隊長の印である赤い飾り帯を斜めにかけた隊長とその部下達が動き出し、銃に火薬を詰める隊員や鼓手がドラムを構え、後ろで旗手が隊旗を掲げています。

カナリア諸島とマデイラ諸島
早春3月はカナリア諸島クルーズに出かけました。コロンブスやマジェランなどが住んだこともある島々です。カナリア諸島はスペイン領で、マデイラ島はポルトガル領です。アフリカ大陸の北西沿岸に近い大西洋上にあり大陸で最も近いモロッコからの距離は500kmもあります。テネリフェ島にはスペイン最高峰テイデ山(海抜3718m)があります。マデイラ島出身サッカー選手のロナルド像と写真を撮りました。

マッターホルンとアオスタ渓谷
6月はスイスを観光しました。最初にジュネーブからシャモニーに入り、アオスタ渓谷に行きました。
名立たるアルプスの名峰モンブラン、マッターホルンなどの雄姿をイタリア側から眺めることができました。スイス側に戻りツェルマットから登山電車で登りゴルナーグラートまで行きました。モンテ・ローザ、マッターホルンなど4,000m級の高山を眺めることができました。

ウラジオストックとシベリア沿海州
メリケン波止場という名前で親しまれた横浜港の大桟橋。外国に憧れた中学生の頃、新聞には出船入船というニュースが毎日載っていました。プレジデント・ウイルソン号のような豪華船に乗ってメリケン波止場から洋行する。その夢が叶いました。酷暑の8月に横浜港から洋行しました。目的地はシベリア沿海州港町のウラジオストックでした。

チュニジア陸軍により救助される
チュニジアは北アフリカに位置しますから南部にはサハラ砂漠が広がります。雨量は極端に少なく乾燥しています。
南部のエルジェム円形闘技場を観光した帰り道、雨が激しくなり道路が洪水になりました。大型観光バスの車体底部が水没し、ストップしました。真夜中にチュニジア陸軍の大型トラックによって救助されました。

(左 チュニスの親子 右 カルパチアの木造教会)



黄金のウクライナ
ウクライナの中央に位置する首都キエフ、黒海の港町オデッサそして鉄道の旅でリビフを再訪しました。ウクライナの名前からまず思い浮かぶのはキエフ・ルーシンと呼ぶ正教の伝来。隊長ブーリバで知られるコサックや戦艦ポチョムキンとオデッサの階段です。クリミア半島の領有権を巡りロシアと争っていますが兄弟なので仲良くして下さい。



喜望峰とテーブルマウンテン
晩秋11月の日本を出発して香港経由で18時間のフライトでした。テーブルマウンテンでは南極から吹き付ける寒い南風でした。北半球の常識と違い、北風が暖かなのです。
喜望峰とは素晴らしい日本語訳ですね。 Cape of Good Hopeを訳したもので直訳すると「希望岬」となります。ここも五星赤旗で「好望角」と中国語で表記されていました。

(左 テーブルマウンテン 右 西穂高岳)



薔薇のオープンガーデン
5月には小さな庭に可憐に咲き誇る薔薇を相手に多くの友人に会うことができました。薔薇は愛情ある手入れ次第で、また多くの人に見てもらうと見事に咲いてくれます。台風の南風で塩害を被り、葉っぱが茶色になりましたが秋には生き生きと蘇りました。(右 薔薇の会のみなさま)

アルプス西穂高岳に登る
毎年、山の友人たちと7月に夏合宿を行っていますが、昨年は平湯温泉を中心に上高地や西穂高岳に集いました。歌うのは山の歌や「シェナンドー」などカントリーソングでした。11月には9年前に歩いたエベレスト・トレッキングを懐かしみ「ヒマラヤ戦友会」で深酒しました。

(左 玄関の葡萄とアルスロンガワイン 右 ヒマラヤ戦友会)

 

アルスロンガ農園とワイン
友人たちと育てる葡萄で毎年ワインを作っています。名前はアルスロンガ・ワインと呼びます。昨年は酷暑の夏や大型台風の襲来もありましたが豊作でした。

(左 収穫祭 アルスロンガ農園)

I am strong, when I am on your shoulders;
You raise me up... to more than I can be.

あなたの肩にすがって、私は強くなる
あなたの励ましで・・・
ひとりでやれぬこともできる

2019年も、「You Raise Me Up」を歌いながら国内外を飛び回りたいと思います。

お読み頂きありがとうございました。なお、拡大版もよろしければお読みください。

    みなさまのご健康とご活躍を祈ります。  

                   2019年1月1日             斉藤 孝
               続きとして、 2018年の旅の思い出 をお読みください。
            個人Webサイト http://www.rr.em-net.ne.jp/~saitotac/index.html

 


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