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  松井田農園     2005年3月19日〜21日合宿記 (その2) (写真はクリックすると拡大します)


松井田の長者様

ここで、大河原家を紹介しておきます。松井田の長者であり、世が世ならば畏れ多くて小作人の分際では、そのお姿を直に拝することはできません。広大なお屋敷の敷地には、多くのお蔵と怪しげな建物が点在しています。

 

お屋敷内には、稲荷神社もあります。また氏神様も鎮座されています。 古い土蔵から見上げる空、その景色から郷愁を感じました。土蔵の横に並ぶ使い古した植木鉢の数々、そして懐かしい秤。いまとなると遠い昔、日本人の大好きだった田舎ですね。こんな回顧趣味は子供たちに笑われ、おそらく孫世代にはシーラカンスやマンモスの標本として爆笑。

 (写真は、長者様のお屋敷の土蔵の扉、その外部です)

 

階級社会

松井田小作人組合も3年目になると、ひとつの社会構造が出来上がっているようです。御領主様を頂点にして、小作人頭、筆頭執事、料理長、その他大勢という階級。手に技術がある人はやはりこの世界でも一目おかれます。特に農業技術。それがない場合は、穴掘り、薪運び、ボッカ。俗世間で元社長、元会長、元重役、元貴婦人であっても農業技術がなければ、ただの農奴です。もっとも料理の知識が少しあれば、カーストも一段高くなります。例えば、豚肉片足一本を塩漬け についての知識。以下は、ボーヤのレポートです。

近所の肉屋さんの指導により、豚肉片足一本を塩漬けしました。定期的に塩を加えて一年間漬物用の蔵で保管します。来年の楽しみが出来ました。
石窯作りは今年の秋完成目標にします。炭竈用に使えるように入り口を密封させることと木酢液を取るための煙突を付けることが要求されています。上質の粘土が確保できそうなので、煉瓦作りから行う予定です。次回までに設計図を作り具体的に作業を入ります。 庭に放置されたままの倒木を薪にする。石窯が出来ると大量の薪の確保が必要となります。 

(写真は、左から昭和天皇安藤、カメ、ボーヤ、次は、宴会の席、今井、マサボン、上野、安藤、新太郎、ボーヤ、その次はお二人の奥方、浅輪婦人と今井婦人)

 

石窯作り

松井田の今年の目標では、石窯作りが重要なテーマになっています。 以下は、ボーヤの昔の松井田日記から引用しました。
前回の合宿に上野兄が持参したビーパルに茂木のハロ−ウッズが載っていたのを見まして、先週土曜日訪ねてきました。ホンダが
オートサーキット場と隣接して、ハイテクとは真反対のローテクの施設を作り上げていました。棚田の田圃、土地の炭作りに作らせた炭窯、バーベキュー場に作った石窯、自然観察が出来る雑木林、木工教室等々自然の中で出来ること学べることを4年懸かりで作り上げた施設です。モーターサイクル館やアシモ館などのハイテクの施設の法が圧倒的に人を集めていますが、私たちが目指しているスローフード、スローライフの世界を作っていました。敷地の10分の1しか利用されておらずこれから少しずつ時間をかけてコンセプトにあった施設を作り上げていく壮大な計画です。

写真は、ピザを焼く石窯です。その横には昔から焚き火を楽しんだ炉があります。写っているのは、ハカリとマサボン。晩秋に開かれる芋煮会の味はなかなかのものです。私もその味が忘れられずにカリフォルニアから以下の便りをしました。

あの随喜の味、里芋が食べたい !!
アグリカルチャーは、カリフォルニアでは主要産業。それに従事する人々はエバッテマス。
カーボーイも同様。アメリカは世界一の農業国です。小作人のみなさん誇りをもってください。
季節労働者の賃金も高騰し、メキシコ人を雇うにも苦労するようです。サリナスの畑では、スタイベックの名作『怒りの葡萄』を思い出しました。いまは、金持ち肥満児の小作人ばかりでした。来年は参加します。汗を流し体を使い。毛沢東の人民公社スタイルになります。毎食のハンバーガーで洋ナシのようになった「お腹さま」を元に戻すためにも。ダルマの体形に似てますね。それでもハロウィーンでは、可愛い子供がよってきます。体形の差別もない、肥満立国ですが・・・。

 

「金時持」

「金時持」、すなわち、金と時間を持て余す老人 のことを指すのだそうです。マサボン(俗名相川氏)が言っていました。マサボンは、ヒマラヤのトレッキング、西域新疆の旅、トルコなど辺境の旅を専門に、歴史と旅、それから食、さらに馬と女性を結びつけた旅のプランに熱中。小作人としてはかなり地位は低く、 たんなる農奴ですが、食べることだけは馬食。このような肥大化した胃袋は、薪が切れた時には「いかがなものか」と人民裁判になりますね。(写真は、マサボンと上野)

上野氏は、小作人組合のテクノクラート。農業技術はかなりのものであり、陣頭指揮を一手にする鬼軍曹といえます。 松井田農園の後継者として有望。ただし年齢とその腰の低さが問題。これも長年に渡り染み付いた営業マンの卑しき根性によるもの。後天的職業病の後遺症かな。


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