2016年  人生の楽園  アルスロンガ農園の一年    松井田便りから    

 

  この記録は大河原 新太郎さんの松井田便りから抜粋したもので、アルスロンガ農園の楽園の日々を生々しく伝えています。人生の楽園の場を提供いただいた大河原 新太郎さんには心から感謝します。編集と写真は農奴下僕であるカメが担当しました。   2017年1月1日作成


1月  雪見酒と合鴨

1月の合宿は予想外の雪と雪見酒の思い出深いものとなりました。日曜日までは作業もはかどりちょっとしたハップニングなど、緩急おり交ぜて順調に運びました。カメガーデンは土壌の改良と、ヤマウドの枯葉での覆いが完了し、春には香り高いウドがたの楽しめそうです。

 

正月ですから、と築地をのぞいてきましたが、思い切った買い物もできず、鯛の頭2つ、まぐろのかま、アンキモ、ミルガイ、もずくを調達しました。場外に鳥藤という鳥専門店があって、鳥の各種の部位、カモの肉な どでもあつかっています。時々のぞいているので、今回場内での獲物が少なかったので、骨なしのもも肉、と合鴨のひき肉少々購入しました。

 

火炎瓶ならぬペットボトル

多分、エンジンつきの草刈り機で桑の畑の草刈りをしたことで、先方にスイッチが入ったのではないかという気がしますが、一人でブドウの剪定をして掃除をしていた、大岡さんがかみつかれます。「ほこりがでて、洗濯ができないからすぐにやめろ」とどなります。これに対し、「もうすぐ終わるからちょっと待て」と応じます。いつもと違う対応に先方は驚いたのかもしれません。いきなり、火炎瓶ならぬペットボトルを投げつけます。先方はもともと運動などできない?体ですからとどきません。

 

警察を呼んで

奥の手の言葉「警察をよぶぞ」がとびだします・大岡さんはひとこと「呼んで」と返します。これで彼女は打つ手がなくなります。手に負えないとおもったのか、扱いやすい食当の私に突然電話がかかってきます。まず、「日曜日に作業をするとは何事か」(日曜日に作業をするのがなぜわるいのか)「事前に連絡もしないで」(あれ、消毒もしないのに連絡などしたことはないぞ)

「警察を呼んでも来ない。」(そうだろう)ほこりで食事も出来ない。(そんなにほこりが飛ぶとはとてもしんじられない)殺す気か(少しぐらい食事を抜いたほうがいいのではないか)

「なんとかしろ」当方は「わかりました、わかりました」と応じましたが、何がわかったのかとぶつぶつ言いながら電話をきりました。当方は、相手が相手なので、ブドウの木を切ったりする可能性もあるので、申し訳ないけど大岡さんに矛を収めて頂いた方がいいと弱気になります。

  

2月 須坂の島田夫妻

カメガーデンにはバラも植わり、今年の春は屋外で花見の宴ができそうですね。いまのところ「どか雪」もなく平穏なうちに3月を迎えることになりそうです。そろそろ、セツブンソウも咲くのではないかと思われます。さすがに山菜の大家、井上先生は目の付け所が違います。3月の3日に須坂の島田夫妻と松井田に来ることになりました、セツブンソウとシードルの試飲が目的です。

 

フランスのエシャロット

フランスから持ち帰った、エシャロット、小さい紫玉ねぎ、彩をそえる、スイスチャード、マーシュ、などを蒔いておきます。3月合宿から、ほんの少しだけかじっただけなのに、ズーズーしいと、思われるかもしれませんが、タパス研究会を発足させます。主に魚介を対象に、新しいレシピを開発してみたいと思っています。要するに、生だけでなく、オリーブ味で食べてみようというだけの話です。

さしあたり、築地を徘徊して、なまこ、あさり、まてがいあたりを調達できれば、さっそく、スペインの味らしきものをお届けできるかもしれません。そのほか、オリーブオイル、とうがらし、にんにくで

煮たアヒージョ、もやってみたいとおもっています。

 

 

 

3月 スイスチャードの芽

スイスチャードの芽が昨日でてきました。苗は4月合宿には持っていけると思います。一緒に蒔いたアーティーチョークはまだです。タパス用のナマコ、マテガイ、カイエット用の葉野菜当日の調達するつもりですが、うまくいかなければゆるしてください。

 

故須永さんのメール   須永さんのご冥福をお祈りします。

「一路邁進」「神出鬼没」「猪突猛進(?)」の代表 お三方へ

いつも 連絡ありがとうございます! 松井田の空気を味わってる気分です。

 やっと 東京医大から連絡があり 3月28日に入院。 4月5日開腹手術の予定。 急患が入れば 延びて4月一杯掛かるかも? いつもの「竜宮城」で静養(?)してきます。(須永さんから) 

 

4月26日は実に立派なご葬儀でした。日本を代表するニコライ堂でのご葬儀です。私にとり初めて、ロシア正教会による荘厳な式典を拝見しました。ビサンチン東ローマ帝国の栄光を伝えるギリシャ正教会の格式あるプロトコルです。この極東の日本にも正当なオーソドックス・キリスト教の教えが伝えられたのですね。壮大な歴史絵巻を実感しました。須永先輩はロシア正教徒として幸福な人生を過ごされて、このような立派なニコライ堂で終焉を迎いられ素晴らしいです。あの微笑とお声を懐かしみ、寂しいです。天国でロシア語や古代ギリシャ語などで聖者と会話するだけでなくアルスロンガ農園での日々をお話し願いたいです。

八端十字によるアーメン。(カメ)

 

須永さんをしのんで、久しぶりにコンビーフキャベツなどを再現してみたいとも思っています。材料のコンビーフ、キャベツいずれもオリジナルレシピより少なくするつもりですが。                   

                                  

 4月 皇居の浅間 夕すげ

 4月の合宿は、カメガーデンの整備、イチゴの救出、竹藪の整備、薪の搬出、など、天候にも恵まれ、大いにはかどりました。タケノコもわずかながら、確保できましたが、すでに、盗掘の跡があったようで、5月の合宿まで、待っていては、ありつけない方も出てくるのではないかという、事態です。そんなわけで23日から臨時合宿をいたします。タケノコ、山菜、の採取、サトイモ、パプリカの植え付けが主な作業です。

 

カメガーデンのばらと皇居から移植した浅間夕すげがしっかりと根付きました。駐車場との境界はブドウのフェンスで仕切られました。今回はアーティーチョーク、スイスチャードの苗を移植し、ルッコラ、コリアンダー、マーシュなどのサラダ専門の花壇もできました。テラス周辺は大岡さんとカメ先生が、寒風吹きすさぶ中で、5時過ぎまで頑張り、ステップも出来上がり、シックな色で仕上がっています。バラの季節には、Barがオープンするはずです。

 

夕すげ、思わず大げさな話になって、恐縮しました。両陛下の行幸啓は、私の力では何ともなりませんので、お仲間内の陛下?にご臨席を頂いてはいかがでしょう。

上品なたたずまいなどは夕すげに配するに十分ではないでしょうか?(Hさんから)

 

 

三か所のイチゴ畑は雑草に覆われ、瀕死の状態でしたが、女性たちの救出作戦でなんとか、イチゴジャムにありつけることになりそうです。先日朝食で。須坂の島田さんからいただいたイチゴジャムに舌鼓を打ちました。色、舌触り、香りともに、見事な出来栄えでした。松井田のイチゴで再現しなくてはなりません。

 

竹の伐採、焼却を続けています。幸い近隣の苦情もなく順調に進んでいます。景観もよくなり、5月中には真竹のタケノコがたくさん採れることでしょう。隙間が増えればタケノコも竹も立派なものがでてくるはずです。久しく稼働していない炭焼き窯で竹炭作りも考えています。

 

 

 

 

 

 

 

オープンガーデン

連休の臨時合宿では、菊地名人の和美さんが合鴨をフランベして見事に焼き上げてくれ、そばとカモの予想外の組み合わせを楽しみ、水だこのコンフィを使ったサラダなど、でお酒もすすみました。

 

 

 

カメガーデンはアーティーチョークとスイスチャードだけのブロックが出来上がり、テラスはカメ好みに渋く塗装され、オープンガーデンにむけてさらに磨きがかかりました。出来栄えは菊地名人が翌日、わざわざ奥様を案内して来てくれたほどです。

 

 

5月 パプリカ祭は無事に終了

アルスロンガの方々の無事息災、田づくりの里の豊作祈願、春のパプリカ祭は無事に終了いたしました。立会人は3人と少し寂しかったのですが、鯛の塩蒸しをつつきながら、直らいも和気あいあい、今月金婚式を無事に済ませ、46年後、120歳の誕生日は元気で迎えるつもりと祭祀の高木勇樹さんは意気軒高でした。

 

尾頭付きの鯛

神事のおそなえに尾頭付きの鯛〈養殖もの〉を調達しました。

神事まで1日置かなくてはならないので生のままでお供えするのも心配で、おおなべにのそこから5pくらい塩を敷き、その上に鯛をのせその上から塩をかぶせストーブの上にのせて一晩火をたきました。コチコチになった塩の塊を新聞紙の上にのせ、金づちでたたいて鯛を掘り出しました。決して塩辛くなくて、ホクホクとしてなかなかの味でした。次はもう少し小ぶりなもので3時間くらいでやってみましょう。そとの囲炉裏でもできそうです。

 

6月 イチゴジャム合宿

臨時イチゴジャム合宿をいたしました。パプリカ祭の時7kgほど収穫し、まだ十分収穫できると考えておりましたが、今回も7kg程度、おそらく6月合宿時もそのくらいで、今年のイチゴも終わるものと思われます。今回は、須坂の島田さん、大岡英子さんのアドバイスで製造方法を変えてみました。これが大当たりで、品質が格段と向上しました。

 

 

8月 フレッツ光回線

この時期の植物の伸び方は目を見張るもので、大岡さんがぶどうが心配で時差ボケをものともせずに松井田に駆けつけたのもなるほどと思います。おかげさまで見事に仕上がり、あとは静かに成熟を待つだけとなりました。

 

パプリカも雑草の中に埋もれつつありましたが、掘り起こし枝を整理し、追肥を施しました。これで霜が降りるまでなり続けるでしょう。今年のパプリカは見かけもよく、香り高く歯ごたえもいいので、松井田にいる間はスープ、サラダ、オードブル、オムレツにも入れてしっかりと食べて頂きたいと思います。

 

8月8日にNTTが来て、フレッツ光回線を設置することになりました。これはいいことか悪いことかわかりません。カメ先生は無知蒙昧なアルスロンガ住民を洗脳しようと張り切っています。ウィンドウズ10問題、ウィルス問題、メモリーの再生、パソコンの廃棄、等々、パソコンに関するよろず相談、をパソコンを松井田に持ち込んで解決しようということのようです。

 

 

9月  ブドウの敵捕獲

横浜からの豊作の便りが届く一方、松井田は9月に入っても天候は改善されず、健康なブドウも何者かに食べられる始末でした。役場に相談したところ、罠を二か所に設置してくれ、9月11日雨の中でおりの中でしょんぼりとうずくまっているタヌキ君?を発見しました。(これはタヌキかアライグマか自信がありませんが、なかなかの美形です)とりあえず、今回はお役人にひきわたして、しかるべく処分をお願いすることにいたしました。

 

矢作洋酒持ち込み

9月17日にブドウの収穫をしました。赤白合わせて30kgほど翌日、総勢八名、矢作洋酒で丁寧に丁寧にブドウをつぶし仕込みは無事完了しました。来年にむけて、消毒、土壌の改良、草刈り、雨対策、害獣対策すべてを初心にかえって見直しましょう。ワインはブドウつくりに尽きるようです。今年の状況にへこたれることなく、健康な熟れたブドウでのワイン作りを目指しましょう。このままでは死ぬわけにはいきません。とりあえず私は木灰、竹酢、石灰を使ってブドウに接する時間を増やしてみようと思っています。ま、あまり深刻に考えないで、それぞれ思いついた工夫をしてみましょう。

 

新横浜は99日に摘み取り、10日に矢作に持ち込みました。幸いなことに、病気にも罹らず、大雨も避けることができ、結果170kg強収穫できました。昨年よりも若干増えました。潰したぶどう液は目分量で140リットルほどになりました。(猪俣) 

 

11月 一緒に祈るのみ

 

今年の収穫は、日照時間の不足など、人知の及ばない、原因で残念な結果となっています。いまや神様をなえがしろにするわけにはいきません。氏子たるものひたすら一緒に祈るのみです。

ストーブのシーズンにそなえて、浅輪さんが松永鍛冶屋さんに特製五徳を作らせてくれました。これから大いに活躍しそうです。ストーブはオーブンとしても大いに活用できるはずです。グラタン、ローストビーフ、シチューなどもオーブンで作った方がうまくできるとモノの本には書いてあります。

 

12月 イブリガッコ用の大根の育ちが悪く

8月以降の天候不順の為にイブリガッコ用の大根の育ちが悪く、今回11月合宿の作業は中止して、収穫 大根干しは2週間先延ばししました。 

 

12/16(金) 燻製小屋作りと大根吊るし準備

12/17() 餅つき準備と大根燻し開始

12/18() 餅つき、大根燻し

12/19() 大根燻し、竹採りと門松作り

12/20() 大根燻し

 

蔵に40年近く眠っていた我が家の臼と釜とせいろは皆様のおかげで生き返り、昔のもちの歯ごたえと香りを楽しませていただけるようになりました。12月最後の合宿はいぶりガッコの漬けこみと餅つきがメインの作業でしたが、ブドウ畑、、カメガーデンの整備など各人各様の年越しの作業をいたしました。

 

 

    以上で2016年のアルスロンガ農園の記録は終わりです。

 

                            関連サイト   2017年 年頭のご挨拶 

                                                                                        斉藤 孝のガーデニング  庭作りと園芸の記録

 


 

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