スロヴァキア共和国旅行 （その３） ２００１年８月２９日〜９月１２日
ロマ人の集落、「オサダ」を初めて目にして、その貧しさにショックをうけました。ロマ人は、多くの国ではジプシーと呼ばれています。スペインではアンダルシア地方のフラメンコの踊り手として有名。フランスでは、その昔は馬車で放浪し、今でも車で移動するジタンがいます。ボヘミアンと呼ぶようにチェコのロマ人は知られています。もともとボヘミアはチェコの地域名称でした。東欧ではハンガリアン・ジプシのバイオリンの哀愁に満ちた音色と伴にロマ人をどこでも見かけます。ロマ人は、私と同じく肌浅黒く、髪の毛も目の色も黒ですから、おそらくインド南部ドラビダ人地方から移動したと思われます。はるばるインド大陸から何千年も前に、このような東欧の山の中にやってきたロマ人の足跡に感慨深くなりました。ロマ人の演奏してくれた名曲は実に素晴らしく、東北スロヴァキアの山中に響き渡っていました。このようなジプシーが奏でるバイオリン名曲（RealPlayer）を私の誕生日のために弾いてくれました。
Ｌｕｂｏ教授の別荘農家 庭に咲くバラ 収穫されたブドウ
今回の旅行では、１９８０年以来の友人であるＭｉｋｅ Ｐｏｐｐｅｒさんに会うことができました。２０年もの月日はお互いの顔も変わりはて、容易に識別できません。その心配をしながらウィーン空港に到着するとＰｏｐｐｅｒさんは大きな紙に私の名前を書いて、到着ロビーに奥さんのＥｖａさんと立っていました。感激の再会です。１９８０年代のスロヴァキアは社会主義国であり、鎖国に近い状態でしたから、東京で開催された国際医療情報学会に参加することはきわめて稀なことでした。Ｐｏｐｐｅｒさんの研究と生活も大変苦しいものでしたが、あのベルリンの壁の崩壊に始まった社会主義国の解体、そしてスロヴァキアの独立など、私とＰｏｐｐｅｒさんの話は尽きることがありませんでした。
親友のＰｏｐｐｅｒ夫妻とワイン農家 ブラチスラバ城と旧市街 公園で抱擁する若きカップル
ブラチスラバでモデラのワインを楽しんだ後、長距離バスで黄金のプラハに行きました。昔、ベルリンに行った時に、ライプチッヒからピルゼンまでいきましたが、プラハに行くことができませんでした。５８歳にして地球の歩き方を見習い、若者のような姿でバスに乗りました。プラハは、モルダ河の両岸に点在する伽藍の搭があり古風な中世都市の趣がありました。ユダヤ人墓地が印象に残りました。そのせいか帰り道、ウィーンではユダヤ人博物館を訪問し、東欧におけるユダヤ人の迫害の歴史について認識を新たにしました。
プラハのモルダ河 カレル橋から見たプラハ城 スロヴァキアのＢａｒｄｅｊｏｖ温泉
海外に出るとさまざまな経験ができますが、今回もオーストリアのウィーン空港であの米国を襲った同時テロを知りました。このようなニュースは地元のテレビからも知ることができますが、スロヴァキア語では理解できません。ところが、インターネットがあれば可能です。しかし、スロヴァキアのホテルから地元プロバイダにアクセスして、インターネットを利用することは難しいのです。ローミング・サービスに加入しているアクセスポイントが少ないからです。しかしあきらめることはありません。スロヴァキアの町にはインターネット・カフェやインターネット・ポストと呼ぶお店がありました。一杯のコヒーかビールを飲みながらインターネット高速アクセスのパソコンを使うことができました。どこでも若者で一杯で、スロヴァキア語キーボードを操り、世界中から情報を検索していました。地元の若者に、私の社会情報学研究室のホームページを紹介しておきました。もちろん日本語の表示も可能です。英語による情報発信の重要性は言うまでもありません。
ブラチスラバのインタネットカフェ ウィーンのインターネットカフェ ウィーンのセント・ステファン教会
私のこの旅行に対しご支援を頂いた川崎嘉元、石川晃弘の両先生には深く感謝します。また、スロヴァキア・スタッフと通訳してくれた近重君と香坂君にも感謝します。それから東洋大学の天野マキ先生にも大変お世話になりました。スロヴァキア万歳。Dobryden Dakujem ありがとう。
なお、下記に写真集及び私の誕生日（９月６日）でもあったその日にＫｌｅｎｏｖｅｃ村で大歓迎を受けた様子をマルチメディアで提供しました。ご覧になるには、RealPlayerが必要です。
歓迎会でジプシが奏でる名曲（RealPlayer）