続く   | cornell 1 | cornell 2 | cornell 3 | cornell 4 |

コーネル大学訪問     (その3)         Cornell University  Ithaca, New York State

  大学とは、オントロジという哲学と歴史を振り返り、未来を創造する知性の集会場


                                             Myron Taylor Hall

そこは、 Cornell Law Schoolがあるゴシック様式の建物です。

1930年に建築されたもので、卒業生であるMyron Taylorの寄付によるもの。

実に素晴らしいく、ケンブリッジ大学に似ています。その内部には、

法学図書館があります。これがまた古典的で、中世期のお城の内部のようで、

「ハリーポッターの世界」です。 オントロジを瞑想する図書館はこのような場所と思われます。

 

ところで、オントロジについて、その意味を参照下さい。

知識研究は、こちらでも盛んです。キャンパスの中世の建物は知性のテーマパークという

雰囲気です。大学とはこのような物理的環境も重要です。

 

オントロジの雰囲気

古典的図書館の建物ですが、IT設備は先端ですから、紙と電子の図書が両立し、

学生たちは見比べながら情報の宝庫でここちよく検索と研究ができます。

まさにデジタルライブラリとはこのような環境と思います。

           

レファレンス・ライブラリアンは、そのオントロジ的閲覧室に専用のデスクを持ち、

いつでも情報のナビゲートを指導できるように待っています。

かなりの知識と情報サービス精神をもったプロです。

ところで、私は図書館のあるべき姿について下記のように書いていますが、その実例を見たような気がしました。

歴史を知り、日々哲学すること。これがオントロジ・アルゴリズム(概念仕様書)の原点である。

知識研究では、その場所の雰囲気や環境が重要である。外見はグレコローマン様式の図書館が考えられる。

おそらくIT時代では、情報機器やネットワークは機能できないという不便な設備しかないだろう。

たんなる図書館の骨董品か文化遺産に過ぎない建物である。その薄暗い教会のドームに似た高い天井には、

 

ギリシア神話と哲学者の姿が描かれている。

またギリシア語によるソクラテスとアリストテレスの言葉がプラネタリウムの星座のように輝いている。

天井の四方の壁面には、ソクラテス、ガリレオ、ダビンチ、エラスムス、ボルテール、カントなど

古今東西の哲学者、賢者、論理学者、数学者、芸術家、文学者、歴史家など知識の発展に寄与した

人々の肖像画や彫刻像がある。その中には歴史を描いた絵画、哲学の系譜、科学の発展、

              探検と冒険、 発見と発明、分類の歴史など図解も含まれている。

 

それらの絵画にかこまれた空間に、蔵書が並べられた書棚と閲覧机があり、人々は思い思いに読書をし、

知的瞑想に耽っている。その知的空間では、蔵書数やITの利用環境などは決して話題に上らない。

そこは、読書・閲覧するというよりは、知的イマジネーションを活性化させる場所なのだ。建物としての図書館には、

是非ともこのような空間がほしい。そんな図書館は、オントロジ・アルゴリズムを明らかにする道場のようになるだろう。」

                                    出典 :   斉藤 孝著 「記録・情報・知識」の世界 中央大学出版部 2004

                                            本書の続編として「関係性の意味論」を計画中です。


            続く | cornell 1 | cornell 2 | cornell 3 | cornell 4 |

 

 

 

 

 

 

inserted by FC2 system