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カメの旅     「隠れキリシタンの島」 五島列島の旅         2022年4月10日

     真っ青な海。
        東シナ海に突き出した断崖。
            大瀬崎灯台は絶壁に建っていた。
               西海の守護者のようで誇り高い姿。


「潜伏キリシタン」と新たに呼ばれる隠れキリシタンの島を訪れた。信仰と祈りの歴史に触れる旅。
サンチャゴ巡礼のような敬虔な気分になった。カトリック教徒でもなく信仰心はまったく持ち合わせない背教者。
 

             


            島中、教会だらけだった。
           29ものカトリック教会が存在する。
           これが歴史遺産になる。むしろ観光遺産といえる。

                  南仏ピレネー山麓にある奇跡の洞窟ルルドまでもある。
                 カトリック系女学校が大好きなレプリカ。
                 そこは井持浦教会という木造の小さな建物だった。

キリシタン洞窟の海は美しかった。
若松島の西南。断崖絶壁にある小さな洞窟。
迫害を避けて船でしか行けない険しい断崖に隠れた。
白いキリスト像が安置されている。

キリシタン弾圧は豊臣政権や徳川政権の時代に始まった。
しかし禁制は16世紀が最後ではない。
19世紀の明治政権になっても弾圧は続く。
140年前の明治初期まで禁制は残った。

近代国家を目指す日本。宗教の自由はまだ早すぎた。
キリシタンは邪教とされたのだろう。
神仏混合を見直し、廃仏を徹底した。
天皇を頂点とする神道を国教にした統一国家。
明治政府の選択は正しかった。

    サンタ・マリアを拝む漁民集落。
白人女性と鼻の高い西洋人のキリスト顔。
「マリア像」の絵を見て違和感はなかったのか。
同じ偶像崇拝ならば「観音様」を拝むだろう。

F・ザビエルなどポルトガル・スペイン宣教師の容貌。東アジア人と、まったく異なる西洋顔ではないか。昔から日本人は西洋かぶれなのだ。

ピサロなどインカ帝国侵略者は住民を虐殺した。
宣教師は、その後にやってきて布教を開始。
奴隷商人も活躍して植民地支配は確立された。
五島列島に、そんな暗い歴史はなかったのか・・。
キリシタン禁制は豊臣・徳川政権の良策だった。
静かな海原と緑の島々を眺めながら
       逆説的な独り言をつぶやく。

    「奉納」と書かれた賽銭箱。
キリシタン教会入口に置かれていた。
神仏・天主(キリスト)を混合させてきた証。
五島列島は、その典型的な日本を見せてくれる。

青砂ヶ浦天主堂は、レンガ造りのゴシック教会。
仏教徒である五島出身の大工、鉄川與助が設計した。船大工の技は教会建築にも生かされている。

「天主」とはキリストの中国名である。
「天主堂」という銘板は、いかにも中国的。
「天主」よりも「天守」ならば日本的である。
「天守閣」という銘板ならば日本的城郭にもなる。
キリシタン教会は「天守閣」と呼ぶべきだろう。

「潜伏キリシタン」は異端カトリックといえる。
ガラパゴス的カトリックかもしれない。
もしかして原始キリスト教に似ているもの。
潜伏してこそ信仰と宗教の価値は尊いものになる。
十字架を切ることではなく、魚マークを描くことが教徒の密儀。

潜伏することで原始キリスト教に回帰できた。
「オラショ」の祈りはラテン語の祈りでなく、
ガラパゴス的カトリックの念仏といえるだろう。
潜伏キリシタンこそ原始キリスト教徒なのかも・・。

                     「ガラパゴス・カトリック教の島」

                             私の五島列島の印象である。

 


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