小 話        その2    
  群衆の愚知

情報の品格を危惧されるSocial Webという魔物が蠢いています。昔からの諺「三人よれば文殊の知恵」のとおり群衆の力(SocialPower)は侮りがたいのですが、時には「群衆の愚知」となる恐れも否定できません。腐敗した自然言語による品格を疑うような偽情報がWeb世界で氾濫しています。このような現状が続く限り群衆の愚知を増幅するだけに終わます。教養の強化と知識分類の整備 、概念設計能力のためのオントロジ教育が必須です。Google検索では知識の断片しか見つかりません。体系化されてこそ人類の共有知識となります。

 

アブダビ ヨルダン ペトラ マネ 横笛を吹く少年


『百科全書アンシクロペディア』

ブログやSNSの魅力は、自分が書きこんだ 知恵や知識という記録が、他人に利用されて知識の連鎖ができることです。このような方法によって、些細な個人の暗黙知が形式知へと変換されると『ウィキペディア(Wikipedia)』のような大衆による百科事典が出版できます。これは、18世紀フランス革命に影響を及ぼしたダランベールとディドロによって完成した『百科全書アンシクロペディア』を超えるような歴史的偉業であると思います。まさに19世紀末の未来小説家H.G.Wellsが夢見た『World Brain』が実現したといえます。これからの時代は、世界中の人々の知恵や知識を如何にして集積し、万民の集合知として利用できるようにするか。そのために個々の 記録の発信者に関わる情報の存在を世界中に形式化と明示化させる仕組みが必要です。

 

スイス ツェルマット ギリシャ パルテノン 南アフリカ ペンギン

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メタデータ研究

7月にはマルチメディア・メタデータ研究のために豪州のクイーンズランド大学に行きました。9月には英国のシェフィールド大学に行きました。コッツウォルズの小さな村々は素晴らしい緑と花々で一杯でした。憬れのイングリッシュ・ガーデンとハンギング・バスケットは私の庭作りに刺激を与えてくれました。海外の人々から「日本の復興と幸福を祈ります」という優しい言葉をもらいました。日本は、どこでも愛されていると感じて嬉しくなりました。レストランの隣に座ったサウジアラビア人は、「日本はモスレムの教えにある律義な精神と人間の絆を実証している。」と尊敬していました。                

          (写真右) ヒマラヤ戦友会のみなさま

                                                

概念理論

人は概念の世界に住んでいる。概念理論に関する愚作を執筆しました。人は世界を理解しようとする時、あらかじめ大まかな略図を持っています。それこそが世界を理解する概念の枠組みであるスキーマとなるものではないのか。その昔、書籍という小さなスキーマを学びとることをリテラシーといいました。確かなことは、その原語のリテラ(Litera)が表しています。それは文字で表さ れた主題は抽象化された概念であり、いかにして実世界の具体像に対応付けて描くかという文字の解読能力のことでした。

 (写真左) 卒業生のみなさまと

 

 

 


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ソロプティミスト    栄子の講演(20年前)

Soroptimist とは、職業をもつ女性による国際的福祉団体のことです。1921年にカリフォルニア州のオークランドで誕生しました。最初は、医師、教育者、出版者などの仕事のもつ8名の女性による団体として出発、現在では世界中にその会員は増え続けて120国の10万人にもなる巨大な組織に発展しています。その使命は、地域社会に対する女性ならではのボランティア活動です。全米各都市では、様々な分野に対するソロプティミストの地道な奉仕活動が行われています。

これは栄子が2003年にサクラメントで地元ソロプチミストの招待で述べた内容です。

 

   Speech: "Soroptimist activity in my hometown" Eiko SAITO


First I would like to introduce myself briefly. My name is Eiko Saito. I was born in Tokyo. It was my dream to study in this country since I was very young.
After graduating from Keio University in Tokyo, I began to work as a librarian in the International House of Japan. I liked the job very much. Fortunately I got the Fulbright scholarship for studying at the Graduate Library School, Indiana University, Bloomington. I enjoyed studying there very much. After I went back to Japan, I got married to Takashi. We have two daughters. Takashi has been here as a visiting professor to UCD since last April. I wish I could have stayed with him, but I had to come and to go back very often, because both of our mothers are old and are living alone, so I have to take care of them some times. Last year I visited here for four times in eight months. This is the second time this year and this is our last visit.
I am very happy and thankful that all my family are here and enjoying Californian life together. As two of my sisters are living here with their families, one in Sacramento and other in San Jose, they are really helpful to me. American people here are very friendly to us. I like the weather. It is so comfortable! The natural beauty is amazing: Lake Tahoe, Yosemite, Napa Valley, Death Valley, …Vegetables and wine are all fresh and very good. I wish I could live here much much longer.

I first heard about Soroptimist several years ago in Japan. One of my best friends introduced me to Mrs. Kenmochi who is a member of Soroptimist in Kamakura area. Kamakura was the ancient capital of Japan., It is still one of the cultural centers in the area, and there are many old temples and shrines. The Great Buddha is very famous among all. It is located in the suburbs of Tokyo.Mrs. Kenmochi invited me to a meeting where Mrs. Hosokawa, the wife of the Prime Minister Hosokawa at that time, was the guest speaker. She spoke about the Soroptimist activities. The members of Soroptimist were beginning to help training athletes by professional coaches so that they can participate in the Special Olympic Games for Mentally Retarded People. Mrs. Hosokawa eagerly explained how they were organizing the activities and they needed voluntary help from anyone. I was much impressed at their purpose of training those mentally retarded people who are usually weak in athletics. It is very good to give these people the motivation.

I thought the members were planning very carefully. As I had no time to participate to their activities then, I donated some money and they put my name on their mailing list.
Now I become feeling very familiar with you, Soroptimist. After I go back to Japan, I am looking forward to have contact with Mrs. Kenmochi and to know more about their present activities in Kamakura area.Thank you for listening to me.

(写真左) ヨセミテ       (写真右) シェイラネバタ タホ湖

 


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あの頃のこと

あの頃のことを是非とも書き残しておこう。誰のためではなく自分自身の存在確認のためだ。なかなかその導入部は難しい。70年も前にもなると当時の語り部は自分以外にいないようである。歳月ははるかに早く流れ去った。私の誕生を喜んだ母親の背中の感覚や懐に大切に抱かれて乳房をまさぐった両手の記憶も全く忘れ去った。

 

カリフォルニア大学

私は、2002年度にカリフォルニア大学で過ごし、 その後は中央大学に在籍しました。 どちらの大学においても、私の研究姿勢は記録情報学から情報知識学へと変えました。『オントロジ・アルゴリズム』と呼ぶ研究であり、人間の知性を明らかにする知識モデルです。 それは、「わかる」ことは「分ける」ことであるという哲学に始まり、分類システムという基本原理が明らかにされています。

   カリフォルニア大学(UCD)客員教授

をお読みください。

(写真左) 中国・青島 2歳の私    (写真右) ギリシア その男ゾルバ


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Semantic Web

Semantic Webのオントロジ どちらも哲学のユビキタス(神の存在論)とオントロジ(人間の存在論 )でしたが、先端のIT世界で蘇りました。 この混沌とした世界では、神や人間の存在を自問する時間が必要なのかもしれません。

 

電脳環境普遍的存在 

これがユビキタスです。 漢字の素晴らしさは、その概念を的確に表してくれることです。迷惑ケータイや電子落書き帖ブログが氾濫しました。毎日の膨大な出会いメール は、刺激的ですが還暦を過ぎた私にとって深入り は禁物。実に巧妙な見出し付けに感心し、また興奮させてもらっています。彼らの情報分析の能力は、ずば抜けています。その暗黙知を正常なナ レッジ・マネージメントに活用してほしいです。 たしかにユビキタス社会は電子魔物世界ですが、 そこで起こる諸々の悪しき電子行為を法整備によって押さえ込むならば、政治家が得意とする猿知恵と同じではないでしょうか。冷静になり、なによりも電子世界で あっても言論と技術の自由を尊重したいものです。

 

ソーシャル・ネットワーク

電子ウィルスや変態ソーシャル・ネットワーク・サイト(SNS)などの 出没があってこそ、その対策に関わる知恵が活性化され、「知識のイタチゴッコ・スパイラル」は凝縮していき、様々 な電子的賢者が生まれてくると思います。そんな、あらゆるものを数理化し、自動化することが社会の常識であるようなIT生活に私は耐え忍んでおります。

 

(写真右上) スペイン サンチャゴ・コンポステラ

(写真右下) ロシア クレムリンの巨大な大砲

(写真左) メキシコ メキシコ・シティーの騎馬警官

 


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ITボランティア

仕事の合間には、大好きな映画をホームシアターで鑑賞しています。昨年はDVDを中心に50本を達成しました。 灼熱の真夏のテニスと入道雲の湘南の海を楽しみ、ガーデニングと酒を友にプログラムや原稿を書いています。近所で、ITボランティアとして高齢者にパソコンを教えましたが、私と同じ年代で、なかなか理解することは苦しそうでした。パソコンもそうですが、おうよそ機械というもはネジ釘であっても論理というソフトがハード化 されたものですから、論理思考が衰えると、どうしてもその操作が難しくなるのが当然です。気長にオントロジカ ルにITと付き合うべきです。

 


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KWVワインとピノタージュ

2018年11月に南アフリカのケープ半島に行きました。ケープ・ワインを飲むためです。なかでも有名なワインはKWVという銘柄。KWVはわたしたちの山のクラブの名前と同じです。

ユグノーのケープワイン南アフリカのワインは日本でも有名です。特にリーゾナブルなものはKWV というワインです。現地のワイナリーで飲む本物のケープワインの味は素晴らしい。本場フランスワインの香りと味に引けを取らないと思いました。赤ワインの葡萄は「ピノタージュ(Pinotage )」と呼ぶ品種。ピノ・ノワールとサンソー(エルミタージュ)の交配種です。ピノ・ノワールはブルゴーニュの品種として有名ですが、暑さや病虫害に弱く、ブルゴーニュ以外の地方では生育が難しい。そこでフランスのローヌ地方で作られるサンソーと呼ぶエルミタージュと交配させて生まれたものがピノ・ノワールとエルミタージュ(Hermitage)の半分ずつをとって、ピノタージュと名付けられました。

(写真左) ピノタージュを試飲


『ナントの勅令』とユグノー

ケープワインの育成にはフランス人の努力がありました。そのフランス人にも歴史を感じました。『ナントの勅令』の廃止によってフランスを追われたユグノーたちもおり、彼らはケープタウン近郊に入植してワイン作りを始めました。『ナントの勅令』は、1598 年にフランス王アンリ4 世がナントで発布した勅令のことです。ユグノーなどのプロテスタント信徒に対してカトリック信徒とほぼ同じ権利を与え、ヨーロッパで初めて個人の信仰の自由を認めた勅令です。その後1685 年、「太陽王」ルイ14 世はナントの勅令を廃止し、カトリック中心の権威主義的な国家へと逆戻りさせました。これによって、ユグノーの多くはネーデルラントやドイツなどの国外へ逃れました。ネーデルランドに亡命した人々がケープに渡ったのです。そしてアフリカーンズとなりケープワインを育てたのです。壮大な歴史に感激してピノタージュを飲みました。(写真右) ケープタウンから見るテーブルマウンテン

 


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  カナダへの旅                             
2003年7月にカナダのバンクーバーの郊外、Halfmoon Bayという 場所に向けて旅をしました。サクラメントからバンクーバまでは約920マイル (1,470Km)あり ます。その間にはオレゴン州とワシントン州があり、北の国境を越えるとカナダになります。今回の旅は、自分で車を利用して目的地に行くものであり、ハイウェイを利用し、田舎のモーテルに宿泊し、 様々な変化に富む景色を楽しむことでした。

旅の目的
カナダ人が嫌がることは、巨大な隣国である米国と混同されることです。例えば、ブリッテッシュコロンビア州やアルバータ州のことを合衆国を構成するアメリカの州であるかのように言われることです。たしかに両国ともアングロサクソン文化を基にした英語圏ですから、国境を越えてアメリカのあらゆる情報が入ってきます。野球やバスケットでもアメリカと同じリーグを組み、一体感は強いようです。ただし、カナダ東部のモントリオールやケベックには多くのフランス系住民もいるので、言語と文化の違いによる分離独立の意識も無視できないようです。
カナダへの旅の目的は、藤川 正信先生にお会いすることでした。先生は、この景勝の地で優雅にリタイヤー生活を送る国際人のおひとりです。私にとって藤川先生は、37年の長きにわたりご指導を頂く恩師です。先生のお顔とお声にまじかに接すると、私は大学時代にタイムスリップし、含蓄に富む情報哲学、意味論、そして暴走族のはしりとおもわれる先生のドライブなど「古きよき時代」の想い出が浮かんできました。

 2003年のカナダ紀行をご覧ください。

(写真左) カスケード山脈      (写真右) 恩師 藤川先生

 

 

 

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電子書籍でも教養は変わらないのか

 紙に思考をとじこめ、紙に知識をとじこめてき た古き良き時代が終わりました。いつの間にか家庭からVHSやDVD、そしてBDも消えてしまい収納 ラックも無くなりました。本箱も無くなり部屋が見違えるようにすっきりしました。あらゆるメディアがWebやクラウドに吸収されたからでしょうか。

ナポレオン モスクワ プーシキン美術館 モネ


 

電子の書板(タブレット)

残ったのは一枚の電子の書板(タブレット)だけです。書籍の活字も電子タブレットで読めるようになりました。活字という表現は、文字を印刷する書籍のために生まれたのですが、電子書籍の発展に伴い「活字離れ」がさらに進み、「活字文化」は衰退するのでしょうか。「活字文化」の前に、それは長い「文字の時代」がありました。人類200万年の歩みのなかで、その200分の1の1万年足らずが「文字の時代」であり、しかも本当の意味での文字の歴史は、その半分の5000年を経ているにすぎません。


パリ オルセー美術館 ゴッホ自画像 フェルメール

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 悪の陳腐

 映画「ハンナ・アーレント」は全く違った視点からナチスのユダヤ人迫害をとらえていました。アイヒマン裁判を題材にした映画です。深く考えさせられ たのはアイヒマン裁判を「悪の陳腐」という概念で結論付けたことです。悪とは普通の人間に内在する問題であるという意味です。アイヒマンはナチス親衛隊中尉で600万人のユダヤ人をアウシュビッツなどの強制収容所に送り込んだ特別な人間と思われたが、忠実に命令を実行するだけのどこにでもいる普通の人間だったのです。多くの戦犯とおなじような軍隊官僚組織の犠牲者でした。

 (写真左)マルタ島 バレッタ港

哲学は日陰者 

イスラム国(IS)に参加する若者達も「悪の陳腐」で解釈することができます。狂信的なイスラム教徒もテロリストも特別な人間ではなく普通の人間なのです。インターネット(SNS)とイスラム原理主義思想を巧みに結びつけた結果生まれた人々ですが、特別な預言者ではありません。普通の人間が陥る「悪の陳腐」が恐ろしいのです。哲学者ハイデッカーの愛弟子であるアーレントは、「考えることで人間は強くなる」と講義で締めくくります。個人が自分で判断する能力を持つという哲学の必要性を説いていました。残念ながら日本の大学教育では哲学は日陰者扱いですね。(写真右) アブダビ 白色モスク

                                             


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  電脳環境普遍的存在 

これがユビキタスです。 漢字の素晴らしさは、その概念を的確に表してく れることです。迷惑ケータイや電子落書き帖ブロ グが氾濫しました。毎日の膨大な出会いメール は、刺激的ですが還暦を過ぎた私にとって深入りは禁物。実に巧妙な見出し付けに感心し、また興 奮させてもらっています。彼らの情報分析の能力 は、ずば抜けています。その暗黙知を正常なナ レッジ・マネージメントに活用してほしいです。

 

たしかにユビキタス社会は電子魔物世界ですが、 そこで起こる諸々の悪しき電子行為を法整備に よって押さえ込むならば、政治家が得意とする猿知恵と同じではないでしょうか。冷静になり、なによりも電子世界で あっても言論と技術の自由を尊重したいものです。電子ウィルスや変態ソーシャル・ネットワーク・サイト(SNS)などの 出没があってこそ、その対策に関わる知恵が活性化され、「知識のイタチゴッコ・スパイラル」は凝縮していき、様々 な電子的賢者が生まれてくると思います。そんな、あらゆるものを数理化し、自動化することが社会の常識であるようなIT生活に私は耐え忍んでおります 。  (写真左) エーゲ海 サントリーニ島       (写真右) 鵠沼の ローズマリーとジャスミン

 

 


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男女関係から外交関係へ                      
未来から歴史を振り返ると、現在は民主主義の終焉の時代であるそうです。共産党独裁の中国やプーチン強権のロシアなどは専制帝国が復活したように思えます。
経済制裁のように韓国を「ホワイト国」から除外するという愚策を止めてください。いまや日韓は経済的にも産業構造から見ても運命共同体なのです。しかも韓国は極東で民主主義国家として躍進しています。北朝鮮、ロシア、中国など全体主義的な専制帝国と異なります。これらの「ブラック国」と全く違う法と人権を守り自由を尊ぶ民主主義国家なのです。まさに「ホワイト国」ではないですか。
日韓の関係とは外交関係というより男女関係に似ています。時には嫉妬、時にはひがみ、時には喧嘩、時には熱烈愛。これらは親子や兄弟や友人、恋人同士など親しい人間関係でしばしば起こることです。
極東に位置した日韓は歴史的にも文化的にも、民族的にもさらに言語的にも昔から密接な関係がありました。近世になり半世紀程、日本の帝国主義的な支配を受け、朝鮮半島の人々に屈辱を与えたという不幸な時代もありました。朝鮮民族も日本民族も未来志向で仲良く極東で民主主義国家として共存すべきです。
(写真左)旧東ドイツ ロストック

 


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   ファシストのような口調
2017年に「Jアラート」がスマフォに鳴り響きました。「Little Rocket Man」の贈り物は怪しげなミサイルと死体付難破木造船でした。
有事の際は焦土作戦も辞さない重武装の永世中立国家であるスイスは2000年代始めまで家を建てる時には防空壕(核シェルター)の設置が義務づけられていたそうです。日本の各都市に核シェルターは存在しません。国防の手段も乏しく、アメリカ軍頼りで情けない。軍事国家を復活させるのではなく、スイス、スエーデンそしてイスラエルのように自分自身の戦力で祖国を防衛したいですね。                
まるで過激なファシストのような口調ですが、馬鹿正直な日本人に腹が立っているのです。誰かが言っていました。日本人は「馬鹿正直」な行動を貫いて、「馬鹿でも暮らしやすい社会」を築いた。日本人は自分の荷物を席に置いたままトイレに立つ。周囲の人を信じている 「まるで馬鹿」です。 しかし、これはいかにも日本人らしくて素晴らしいことです。規則を重んじ、他人を尊重するからこそ、自分の目先の利益だけを求めることをしない。小賢しく立ち振る舞わねばやっていけない日本ではないはずです。品格で頑張りましょう。

(写真左) トロンボーンを吹く孫  

 

 

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書籍という小さなスキーマ

人は世界を理解しようとする時、あらかじめ大まかな略図を持っています。それこそが世界を理解する概念の枠組みであるスキーマとなるものではないのか。その昔、書籍という小さなスキーマを学びとることをリテラシーといいました。確かなことは、その原語のリテラ(Litera)が表しています。それは文字で表された主題は抽象化された概念であり、いかにして実世界の具体像に対応付けて描くかという文字の解読能力のことでした。

 
片瀬山公園 熊谷草   薔薇の会を楽しむ
 
 

概念理論

「空間」とは実体なのか。それとも人間が宇宙を理解する中で生まれた概念なのか。その解明にデモクリトス、エピキュロス、ピタゴラス、プラトンなどの古代の哲学者は生涯を捧げました。アリストテレスからアインシュタインまで数千年にわたり「空間と時間」は人間に思考の枠組みを与える概念でありました。何やら訳のわからぬことを冒頭から申し上げて恐縮です。これが私のライフワークの「概念理論」のさわりです

 

              研究教育の内容を読む -> 日本語版 | 英語版

 

 
食卓に並ぶ軽食
 
20年前に執筆した著作 今でも先端。  

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計算可能意味論

私の研究課題の一つは計算可能意味論とい うもので、人工知能に必要なアルゴリズムといえる。
意味を式の形によって表現する形式化の研究は、古代インドで始まった。ジャストリックによるものでサンスクリット文法を理論化するためであった。ギリシャに始まる哲学と論理学も、知識の形式化を目的とした。その歴史の流れはオントロジという知識表現の研究につながり、人工知能やITにおける計算可能意味論の研究へと発展する。私は、オントロジを計算可能知識の視点から考察し、その計算とは、推論の規則を記号の計算法則とし、意味論を伴った論理記号の体系とした。オントロジは、関係性の意味論のことであり、実世界のオブジェクト(概念)とその間の関係をいかにして表現するかを研究する。

(写真)2002年に『記録・情報・知識の世界』を執筆した。     

エキスパート・システム

ところで、計算可能という表現は、不完全性定理を証明したゲーデルも使っている。その場合、計算可能関数という意味であり、アルゴリズムが存在する関数のことである。これは、論理学におけるトートロジー(恒真命題式)が証明可能であること、つまり一階述語論理(FOL)の公理の完全性定理に関係するものであった。計算可能知識という表現は、1970年代の人工知能によって初めて使われ、知識表現モデルのためのものであった。人工知能の計算可能知識は、専門家の形式知をシミュレートするエキスパート・システムの意思決定に使われた。意思決定は、ある事実の集合が与えられたとき、それを説明する最も適切な仮説を結論とする。人工知能の知識は、述語論理などの形式意味論に基づきプログラム化された計算可能知識といえる。したがって、知識をコンピュータで実行可能な形で書き表すことであるから記号処理レベルに留まる。                                                             

                          

    (写真左)  2003年に『意味論からの情報システム』を執筆した。 

(写真右) 2012年に『デジタルメディアの情報インデックスと知識地図の研究』


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味論と情報システム

意味論と情報システムとは、意外な組み合わせかと思われる。技術世界と人文世界の融合を試みる哲学論を連想させる。「オントロジ」という言葉に代表されるように哲学に起源する概念が多用されるが、ITにおける意味論の必要性を説いている。目的は、比較的単純である。ユビキタスという名前を借りた情報システムと、オントロジという名前を借りた人間との知識活動の意味作用について論じる。その焦点は、両者のインタフェースとなる「情報システムの意味」のあり方の研究といえる。キーワードで表すと、「ユビキタス・オントロジ・セマンティックス」となり、それぞれユビキタス、オントロジ、セマンティックスに対応する。要約すると、次の3つのキーワードによって表される。

ユビキタス     透明化される情報システム
オントロジ     概念操作を行う人間
セマンティックス  オントロジに基づく情報システムの意味論

(写真右 『社会科学情報のオントロジ』の表紙)

韓国語に翻訳された

2008年に『記録・情報・知識の世界』と『意味論からの情報システム』の2冊が同時に韓国語に翻訳出版されました。その序文の一部です。詳しくは韓国語翻訳をご覧ください。

 

私の本を翻訳された漢城大學の崔錫斗教授に心から感謝します。この本は日本語でも極めて難解な表現を使い、抽象的な内容であることから日本の読者にとっても容易に読みこなすことができません。それを的確な韓国語に翻訳された崔錫斗教授のご苦労に対し、敬服いたします。意味論から情報システムについて考察することは私の長く抱いていた希望でした。その情報システムとは、記録と情報、そして知識を扱う仕組みですから図書館やデータベースなどが具体的な例といえます。情報システムには情報化する分類アルゴリズムが存在します。それはタクソノミーやオントロジと呼ぶこともありますが、概念化し体系化する法則といえます。その目的は、シソーラスの整備とインデクシングに具体的に表れます。情報システムとは、このような情報生成と知識形成のために必要な仕組みといえ、それをオントロジ・アルゴリズムと呼びました。私が提唱するオントロジは、基本的には「存在」という1つの対象から出発し、これを「分けて」多様にしていき「わかる」という道筋を体系化していきます。オントロジは、分けることで、「わかる」ことです。

                            

(写真左 韓国語に翻訳された表紙)

            斉藤孝の、過去の著作のリストをご覧ください。

    


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   カメのアイデンティティー
本名は大学卒業までは「亀谷孝」でしたが、1967年に母親の再婚先の名前である「斉藤孝」に改名しました。その後2002年になり顔にも髭を付け人相までも改造しました。変わらないのはカメという愛称だけですが、多くの先輩諸氏から未だ私の正体が明らかにされていません。容貌が加齢も加わり激変したことにもよります。
自分は一体何者だったのか。そんなカメのアイデンティティーを探るというが今回の小舎番の目的でした。うら若き乙女が「自分探し」にでも出かけたような清々しい時間を雪山で過ごせれば素晴らしいと思いました。雪の浅貝は50年ぶりですから何もかもが懐かしい。

(写真)スキーを楽しむ(1964年)

ぼっとん便所
新築された小舎は一代目とは変わっていましたが、乾燥室だけは玄関脇にあり変わっていないと感じました。すのこの上に寝袋を乗せ寒さを耐え、スキーの秘密練習に熱中したことがありました。水洗ウォッシユレットのトイレに座り思い出したことは、その昔の「ぼっとん便所」と汲み取りのWC のことです。雪道を肥桶をさげ天秤棒を用いて運搬しました。数回滑りましたが溢すことなく雪道には黄金のラインだけが続いていました。「自分探し」の目的は、雪見酒と懐かしの山旅の歌を大声で吠えるという50数年前と変わらない結果に終わりました。これこそがカメのアイデンティティーなのではと納得できた小舎番でした。  

 

雑文を最後に

このような雑文を最後にして足跡を滅し去って跡を残したくはないという願いもある。わが身を振り返るとかつて瞼に浮かんだ未来の姿が形を整えた。この歳になりようやく私が経てきた人生の時間が見えてきた。まだ生臭く欲深さが残る。ありのままの自分を受け入れることの難しさを痛覚する。人生80年とすれば残された時間はあと10年。そこにあるのは老いと死だけである。もはや研究生活などありえないだろう。何をやりたかったのか。哲学だったのか。私は自身の教養の確立という目的のため、哲学に源流を求めた。もしかして歴史だったかもしれない。図書館の歴史、情報の歴史、知識の歴史など、歴史そのものではなく歴史にみる情報だったのか。                                                 


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 幼い頃の記憶と重なった

私を産み育ててくれた母親(トミ)に深く感謝する。1942年の激動の時代の中国で誕生し、敗戦の混乱期を守り続けてくれた母親の愛情を忘れない。敗戦後の焼土と化した日本に引き揚げてきた。小さな私の手は母親にしっかりと握られて、破れたリックサックを背に担いで歩いていた。辿りついた母の実家の富山市はB29の空襲で全市まる焼けであった。焼け焦げた黒いトタン板をよく覚えている。東北の被災地で見る一面に広がる惨たらしい光景は、私の幼い頃の記憶と重なった。2011年の夏は灼熱の太陽の下、宮城県の多賀城に始まり石巻そして気仙沼まで、3ヵ所の被災地でボランティアとして汗を流した。石巻専修大学キャンパスの芝生でテント生活を送った。そこには世界中の若者から老人までが集まっていた。泥水に浸かり悪臭のする家屋の掃除、津波に流された牡蠣種を入れるホタテ貝の整理、ボランティアの仕事は様々であった。何か体力で支援できればという私の願いが実行できた。年寄りの微力な支援によるものであるから大した成果は表れなかったが、貴重な体験となった。

(写真左上) グランドキャニオン    (写真左下)西安兵馬俑


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概念理論                               

「空間」とは実体なのか。それとも人間が宇宙を理解する中で生まれた概念なのか。その解明にデモクリトス、エピキュロス、ピタゴラス、プラトンなどの古代の哲学者は生涯を捧げた。アリストテ レスからアインシュタインまで数千 年にわたり「空間と時間」は人間の思考の枠組みを与える概念であった。ライプニッツにとって「空間」は物体の位置関係を、「時間」は出来事が起こる順序を語るための言語にすぎなかったが、同時代のニュートンにとっては宇宙に構造を与える枠組み(スキーマ) であった。やがてアインシュタインにとって「空間と時間」は、宇宙そのものを作る素材であり、相対性理論と呼ぶ宇宙の謎を解く珠玉の概念となった。概念理論とは厳めしい名前であるが、ここで 取り上げるものは極めて単純で情報インデックスと呼ぶデジタルメディアの情報を明らかにするプロ グラム設計に関わるものである。これを別名、計算可能意味論と呼ぶこともできる。名前のとおり意味の解釈をコンピュータ処理(アルゴリズム化)できないものかを研究する。その応用となるものが情報インデックスである。

(写真左) ワシントン州 カスケード山脈


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リテラシー

人は概念の世界に住んでいる。人は世界を理解しようとする時、あらかじめ大まかな構図を持って いる。これこそが世界を構成する概念の枠組みであるスキーマとなるものではないのか。その昔、書籍という小さなスキーマを学び取ることをリテラシーといった。たしかなことは、その原語のリテラ (Litera)が表している。それは文字で表された主題は抽象化された概念であり、いかにして実世界の 具体像に対応付けて描くかという文字の解読能力のことであった。リテラシーは、表層に現れた文字 だけでなく、深層に潜む 概念の構造というスキーマを認知することも目的であった。人々は絶えず押 し寄せる情報に意味を与えるために、思考や世界観についてのスキーマを学んできた。それを用いることで組織化された社会的行為や慣習化された境界を示すことができた。スキーマは情報という主題を把握する視点を定めてくれるもので、 概念の枠組みを示す概念文法でもある。スキーマは図解されるとタクソノミーになり、記号化されると分類記号やメタデータなどの情報インデックスとなる。

 

 

 

 

 

知的イマジネー ション

概念理論の研究では、図書館の雰囲気や環境が重要である。その薄暗い教会のドームに似た高い天 井には、ギリシャ神話と哲学者の姿が描かれている。またギリシャ語によるソクラテスとアリストテ レスの 言葉がプラネタリウムの星座のように輝いている。天井の四方の壁面には、ソクラテス、ガリ レオ、ダビンチ、エラスムス、ボルテール、カントなど古今東西の哲学者、賢者、 論理学者、数学者、芸術家、文学者、歴史家など知識の発展に寄与した人々の肖像画や彫刻像がある。その中には歴史を 描いた絵画、哲学の系譜、科学の発展、探検と冒険、 発見と発明、分類の歴史など図解も含まれてい る。それらの絵画にかこまれた空間に、蔵書が並べられた書棚と閲覧机があり、人々は思い思いに読 書をし、知的瞑想に耽っている。図書館というものは、読書・閲覧するというよりは、知的イマジネー ションを活性化させる場所であると思った。

 (写真 左) 中国 タクラマカン砂漠    (写真右) 中国 敦煌 莫高窟        

 


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  電脳環境普遍的存在

電脳環境普遍的存在すなわち ubiquitousとは、ラテン語の複合語であり、分解するとubi は英語の「where」に対応し、ubique とすることにより「everywhere」を意味する。日本語では「どこでも」となる。そこには時間の概念は含まれていなのだが、「いつでも」の意味を加えて拡大解釈された。 神の普遍的存在を表したいからだろう。国立国語研究所の訳語では、「時空自在」としている。ちな みに中国語訳では「普遍存在的」としている。私ならば「電脳環境普遍的存在」と表現したい。この 漢字の熟語に、オントロジ的な意味が凝縮されているからだ。 “私のコトバの境界が私の世界の境界を意味する。”このウィトゲンシュタインの名言は、人間と記号について的確に表している。 人間は、記号用いて世界や人間自身を意味化してきた。記号を駆使することなしには、人間は 思考することはできない。ユビキタス社会において人間記号は、透明・仮想的に自己を拡散し、分散し、人間を喪失させる。

 

アルゴリズム

ユビキタスは、アルゴリズムという人間の記号化だけではなく世界の記号化を行う。記号化とはアルゴリズムのことであり、ユビキタスに対し記号を操作する意味を伝える。 ライプニッツは、0と1だけから知的宇宙全体を構築できると唱えた。コンピュータが0と1だけのビッ トにより情報処理を行い、人工知能のように 知識を表現できるとなると、ライプニッツの主張は空想とはいえない。彼の夢は、科学、法律から政治まで、人間の抱えるあらゆる問題を理性的、体系的に、そして論理演算によって処理する普遍的方法を確立することだった。人間の思考を記号で表し、機械的に処理することは歴史上の哲学者や数学者の夢である。(写真左) シリア パルミラ遺跡(1993年3月)

 


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 機械は考える                         

ライプニッツは、空想のコンピュータを 組み立て、この世界に関する 真理が体系化される普遍的な書記法で書かれた記号言語を思い描き、概念のリスト、つまり記号の機械的操作だけであらゆる問題に決着をつけてしまうアルゴリズムを創造 した。そして後世になりアラン・チューリング(A.Turing)などの哲学者・数学者はアルゴリズムの 数学的定義を提示した。チューリングは、心を使わない計算とされたアルゴリズムに 反対した「機械は考える」という仮説を示し、それを実証するチューリング・テストを試みた。現代のアルゴリズム の解釈は、すべての問題を解く、有限個の操作からなる手続きである。ライプニッツの予言どおり、 現代ではアルゴリズムを記述したプログラムにしたがって作業を行うコンピュータが登場し、アルゴ リズムが社会にとってもつ重要性は飛躍的に増大している。 (写真 右) 卒業生のみなさん


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  死海文書   トーラー(モーゼ5書)
若い羊飼いが洞窟からヤギを出そうとして洞窟に石を投げ込んだところ、巻き物を収めていた陶器に当たった。
クムラン写本と呼ばれることもある。死海北西の要塞都市クムランの近くの11箇所の洞窟で発見された。この写本は、紀元前2世紀の中頃から紀元後1世紀にかけて書かれたもので、約800巻あった。その断片の30%はヘブライ語聖書であり、25%は、伝統的なユダヤ教の宗教文書であった。残りの約15%は、まだ判明していない。アラム語で書かれたものもあり、また、ギリシア語で書かれたものもあった。洞窟で発見された写本断片は、ユダヤ教徒とキリスト教にとって、歴史的な発見となった。知識の記録、その形式化を伝えるものといえる。忘れ去られた2000年前のヘブライ語が蘇った。記録情報を形式化した威力である。直接眼にした死海文書とトーラーから覗える仕組みは、「世界史のなかの情報システム」の研究にとって大いに刺激を与えてくれた。クムラン教団の隠者の洞窟ともいわれる。一切の世俗的なものを捨て去り、神との対話だけの修道生活を送った。第1洞窟の7つの巻物は、旧約聖書のイザヤ書のヘブライ語本文、教団規定、戦闘規定、ハバクク書、外典創世記、感謝の詩編であった。また出エジプト記などヘブライ語聖書、ミカ書などの聖書注解書などの文書の断片もあった。(写真左) 中世の旧約聖書

 

クムラン教団
トーラー、タルムード、旧約聖書などの記録には、コンコルダンスやハイパーテキストという記録アルゴリズムが巧みに組み込まれている。巻き物と陶器は、ライブラリのハードウェアであり、ヘブライ文字とギリシア文字による記述、聖書という形式化と体系化された記録はライブラリのソフトウェアであった。ライブラリアンはクムランの隠者であり、修行によって彼らの頭の中に暗黙知のハイパーテキストが写し取られた。このような要素から構成されたライブラリは、情報システムの原型といえる。隠者はやがて死ぬがライブラリを残すことは可能だ。
世界に離散したユダヤ人は、このライブラリを「トーラー」に凝縮したと思われる。ラビはトーラーとタルムードによって情報システムを復元した。キリスト教もイスラム教もこのような情報システムを真似たことになる。
古代ヘブライ語は、2000年に渡る離散中に忘れ去られていた。現代イスラエル語の語彙の中には、クムラン文書を参考にして復活させたものもある。このように記録情報が正確に保存されていたからだ。まさに、タイム・カプセル。それに比べると、CD-ROMやDVDなどの電子記録をタイム・カプセル化することは不可能だ。21世紀に生きるわたしたちは、2000年後の未来に対し、いかなるメディアで語ることができるだろか。ITやユビキタスと呼ぶ電子社会の未来は、実に虚しい。

(写真右) ヘブライ文字の墓石

 


 


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   幸せを呼ぶ神の化身とも思われた。

 

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