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       カナダへの旅 (その1)       オレゴン州とワシントン州 

                                        

  7月18日から26日まで、私はカナダのバンクーバーの郊外、Halfmoon Bayという 場所に向けて旅をしました。

 

サクラメントからバンクーバまでは約920マイル (1,470Km)あり ます。その間にはオレゴン州とワシントン州があり、北の国境を越えるとカナダになります。今回の旅は、自分で車を利用して目的地に行くものであり、ハイウェイを利用し、田舎のモーテルに宿泊し、 様々な変化に富む景色を楽しむことでした。

飛行機ならば、ワシントン州シアトルまではサクラメントからわずか1時間30分で行ける距離ですが、あえてレンターカーの旅にしました。 信頼性を考慮して真っ赤な三菱ギャラン(V8)を選びました。

 

カリフォルニア、オレゴン、ワシントン、そしてカナダのブリティッシュ・コロンビアの各州の地図。

 

                                   

北カリフォルニアとオレゴン州境は山越えの難所。そこにはMt.Shasta(14,162FT)が富士山のように 鎮座しています。Shasta Lake、 Weedそして Montagueをすぎるとオレゴン州のMedfordに入ります。  

カリフォルニア州サクラメントを朝8時に出発。道はInterstate Highway 5(I5)を利用して、まず北カリフォルニアのReddingに向かいました。

灼熱のサクラメントバレーはサクラメント河を中心に広がる広大な盆地ですから、夏はまさに砂漠のような天候になります。唯一の恵みはシェイラ・ネバタやその周辺の山々から流れ出た水を集めたサクラメント河です。この豊富な雪解け水のおかげで、サクラメント盆地は農業と都会、そして芝生から人々の生活まであらゆる生命を支えているといえます。サクラメント河の水が無くなれば、おそらく人工社会といえるカリフォルニアは滅亡することでしょう。

 

アメリカの車社会のインフラは、全国に張り巡らされたインターステートハイウェイと木目細かなハイウェイ・サービスシステムです。道路標識、スピード規制、道路規則、サービスエリアなどハイウェイに関する情報は実に 親切にできていますから、利用者に大好評です。

日本のJAFに似た車所有者の組織であるAAAは、最新の道路地図からモーテルの案内まで極めて適切な情報を提供してくれます。モーテル一泊は平均80ドル。 プールとジャグジが付いています。

  

Rest Area      Motelと赤いギャラン


  オレゴン州ユージン    オレゴン州立大学   University of Oregon

 

オレゴン州に入ると風景は変わり、森と河が多くなり、一見したところ日本の田舎の風景に似ています。ただし乾燥している 夏はカリフォルニアと同じで、牧草は枯れて黄色になり、点在する牧場の牛も暑そうに見えました。

 

オレゴン州の州都はSalem、都会はPortland 大学都市は州の中央に位置するEugeneです。そこにはオレゴン州立大学があります。森にかこまれた清々しい雰囲気の大学でした。

 

オレゴン州は、多くの開拓者が目指した理想郷であり、キリスト教に由来する地名が点在します。大きなコロンビア川に沿って遥か東部から緑のオレゴンを目指したのでしょう。

   森に囲まれたキャンパスで

 


  ワシントン州    シアトル    Seattle

 

ワシントン州シアトルはイチロウの活躍するマリーナーズのホームグラウンド。森と湖、雪を頂く山々と海に囲まれた美しい 大都会です。私は、サンフランシスコよりもこの都会のほうが好きです。  

 

 

 

 

シアトルのダウンタウンは高層ビルと スペースニードルが印象的です。

シアトルにあるワシントン州立大学は中世ゴシック建築を真似た荘厳な建物が印象的です。どの校舎も統一された色彩とゴシック建築にしてあり、まるでヨーロッパにいるような雰囲気でした。私は、ワシントン州立大学には何回も来ていますが、いつきてもその美しさには驚きます。

 

 

 

 


ワシントン州立大学    University of Washington

         

ワシントン州立大学の象徴は噴水。学会の開催された「メアリーゲーツ・ホール」はマイクロソフトの創設者であるビル・ゲーツの母親の名前を付けた建物です。もちろん、ビル・ゲーツからの膨大な寄付により完成しました。

私が出席したのは米国情報学会が主催するもので、夏のこの時期には世界中から若手の研究者や現場の実務家が参加していました。シアトルのような美しい都会とワシントン大学における4日間の学会は、参加者に忘れられない思い出を与えたと思います。

 

どのセッションの発表でも寝ている人を見かけません。質問は素朴なものから高度なものまで自分が納得いくまで続ける博士コースの学生の姿が印象的でした。

 

 

 

学会の名前は、Conceptions of Library and Information Science(CoLIS4)と呼び、新しい角度から記録情報学を研究します。

Buckland教授(カリフォルニア大学)のチュートリアルはなかなかの内容で、朝の9時から12時30分までぶっ通しで講演するというもの。先生の強靭な体力と話術に感嘆しました。午後では、インディアナ大学のRob Kling教授がSocial Informaticsのアプローチについて講演。これは社会情報学と同じものなので、非常に興味深く拝聴しました。
 

                 

  Buckland教授               Kling教授                      レセプション

 

両先生の、その講演に対する体力と熱意には私は大いに刺激を受けました。4時間にわたり年間の講義内容に等しいものを絶え間なく喋り続ける知識力、展開方法など参考になりました。これではいつでも本一冊くらいは書けるわけです。
 

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