斉藤 孝のガーデニング    軽井沢の日々  2008年

信州の北東部に位置する軽井沢は避暑地として有名ですが、私の住んでいる追分は軽井沢というよりは御代田や小諸に近く、標高も900メートル前後の高原です。利点は軽井沢のように霧と寒さが少なく、浅間山麓の南に広がり、日照時間も多く温暖な土地であることです。したがって、リンゴ、プルーン、ブルーベリー、カリン、杏、葡萄などの果樹に適した所です。(早春の浅間山)
高原野菜も新鮮で、農家から直送する野菜販売直営店があります。レタス、白土ジャガイモ、キャベツ、辛み大根、キノコなどの地場
野菜は生で食べるのが一番。赤ワインに赤カブとその葉の苦みは絶妙な組み合わせです。

                                                                                (6月 小諸のバラ園)
赤松、栗の木、カラマツなどの森が点在しています。
追分には戦後の満州からの引揚者が開拓した農家もあります。開拓者は、浅間山の火山灰と溶岩による不毛の荒れ地を大変なご苦労によって農地に変えました。別荘地とは違った苦難の歴史を知りました。私も1946年に中国青島から母親に連れられて引き上げて来ましたから、敗戦後の中国で屈辱と数々の悲劇にあった同胞のお話には心が痛みます。
(晩秋の高峰)

真夏の入道雲は大好きです。小諸から蓼科と八ヶ岳の方面にもくもくと現れる真っ白な雲が固まり出して巨大な入道雲に変わるとき、強烈な太陽と蒸せるような草原の熱気、これも高原の素晴らしい楽しさです。冷え切ったビールを一杯。その後は冷えた白ワインが続きますね。(真夏の菅平)
真冬は、満天の星空。星座を裸眼で確認できるかどうか老齢の目の検査をします。さそり座らしきものを探しもとめて断念しました。
(自作の巣箱)
 


 
極寒の2月の軽井沢は、人がいなくて実に静かです。雪があるので道など関係なくどこでも歩くことができます。別荘の境目も灌木の茂みも雪が重なり一面の銀世界となり、広々として美しい。雪が多くなれば、スノーシューを付ける雪のトレッキングを楽しむことができます。その後は、熱いお湯割りの芋焼酎を楽しめます。(真冬の追分)

近くにある御影用水は、もともと水田に引く水を温める目的で造られたものですが、今では英国の田舎のような風景を見せてくれます。(御影用水)
追分の小道はのんびりして、静かです。早春から真夏までの緑、秋の紅葉、あたりまえの同じ風景であっても足元の野草は変わっています。あそこにあったトリカブトはどこに消えたのだろう。ホタルブクロが思わぬところに咲いていました。
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