ホーム |  独り言  |  論評  |  小話  旅行  | 御挨拶 ガーデニング   |  ブログ  |  English  | YouTube 

 御挨拶   <-----  現在のページ                                                                     


 知的刺激     新しい時間の発見      2023年3月1日

 「万巻の書を読み、万里の道を行く」 

   好きな漢詩。

     「万巻のSNSを読み、AIの道を行く」

これが現実なのかと嘆く。
ダメダメ・・・、新しい時間を求めようともがく。

年齢を重ねると、新しい刺激が少くなる。
どんな状況でも始められる新しい時間はあるだろうか。

  

     (3月になり陽ざしも暖かくなった。老害かもしれないと、ビオラとラベンダーにつぶやく。)

 

「モンブラン」
大好物の「モンブラン」を前にしてご満悦であった。
アルプスの最高峰「モンブラン」に似せたケーキ。

     

   (このモンブランは大変手が込んで和菓子のようだ。甘さ加減が凄い。感謝した。)

 

モン・ブラン・オ・マロン

栗を用いたクリームが山状にデコレーションされて、
頂上に半分に切ったマロングラッセが置かれている。
絶妙な甘さと香りだ。これは美味しい。

    

     (モンブランには様々なバリエーションがある。積み重ねられたレイヤー。クリームの曲線。)

 

 「Mont Blanc aux marrons」

 

秋の日のヰ゛オロン(ヴィオロン)のためいきの

久々にフランス語を懐かしむ。シャンソンでも聴きたい気分になる。
バカの一つ覚えをフランス語でつぶやく。

『Chanson d'automne』                

ポール・ヴェルレーヌの「秋の歌(落葉)」という詩。

    Les sanglots longs
     Des violons
      De l'automne
       Blessent mon coeur
        D'une langueur
         Monotone.

       秋の日の
        ヰ゛オロンの
         ためいきの
          ひたぶるに
           身にしみて
            うら悲し。

上田敏の訳『落葉』も素敵な詩を残している。

1944年6月6日のノルマンディー上陸作戦、 「The Longest Day」の開始を告げる暗号詩になった。フランス自由軍司令官、ド・ゴール将軍は"Les sanglots longs"を読み上げた。ドイツ軍のロンメル元帥は、それを聴いて、"史上最長の日になる"とつぶやいた。あの映画は、テーマ曲も傑作だった。

      
        (これが本物のMont Blancである。美しい白山だ。)

 

   私のフランス語の暗号詩は、       

         「L'Encyclopedie」

世界最初の百科事典

これは、世界最初の百科事典と呼ばれて、フランスのダランベールとディドロが企画したものだ。 フランス革命に大きな影響を与え、ヴォルテールやルソーらも参画した。

現代の『ウィキペディア(Wikipedia)』の登場に似ている。

その昔、書いた原稿は、「L'Encyclopedie」のインデックサーと呼ぶ仕事に焦点を当てたものだった。図書索引を作成するインデックサーと呼ぶ情報専門職(索引者)の存在を忘れてはならない。 彼らこそ記録情報の専門家の先人であるからだ。
ディドロの協力者であるルイ・ジョクールは、一日14時間も働き、その百科全書の4分の1を執筆したという。
彼はディドロのような創造的な人物ではなかったが、あらゆる書物を読破し、それらを1つの記録として統合する能力を備えていた。 まさにインデックサーが模範とすべき能力の持ち主であった。

         

(ディドロとダラベールの「L'Encyclopedie」は紙の冊子だった。羊皮の表紙で製本されていた。その豪華な存在は人類の知識を誇らしげに示してくれた。今では「失われた紙の文化」となった。あらゆるものがデジタル世界に吸収された。)

 

インデックスとインデックサー
インデックサーの存在は索引の歴史とともに始まる。
索引の起源は古く、ユダヤ教の聖典であるタルム−トや旧約聖書に似たような仕組みを見ることができる。
索引の完成された姿は、16世紀のイタリアにおける聖カルロ修道院における聖書のコンコルダンス(concordance)といわれる。
中世の西欧において聖書は、あたかも現代に不可欠な情報ツール(索引システム)であるデータベースと同じようなもので、 その当時の宗教に関わる知識をラテン語というプログラミング言語によって記録されたものといえる。
そのような聖書を読みこなす修道僧は、今日のシステム・エンジニアやプログラマーに相当したわけである。
修道僧は聖書を写本し、そこから情報を得るために数々の工夫と道具を生み出した。その中で最も傑作といえるものが索引の仕組みである。

         

 (ラベンダーの下に百科事典は無い。)       (ローズマリーの下にインデックスは存在しない。)

学問的好奇心の原点
百科事典は憧れだった。図書館で毎日のように飽きもせずに閲覧する喜び。
20巻にもなるブリタニカ百科事典は世界の知識を分類しているように思えた。
その一巻は独立した索引(インデックス)だった。
インデックスとは何か。その仕組みはどうなっているのか。
誰がインデックスを作るのか。
項目とその分類はどのような体系に基づくのか。

学問的好奇心の原点になり、そこから私の研究人生はスタートした。

愚痴ばかり述べない。時間は限られている。
ひそかな自己満足に浸る時間。
これこそが、新しい時間の発見ではないのか。
有意義な時間を過ごそう。

    「Mont Blanc aux marrons」
       『Chanson d'automne』 
            「L'Encyclopedie」

「モン・ブラン・オ・マロン」の甘い後味に酔った。
   今宵は酒抜きで、素面になり真面目に過ごそう。

 


    ホーム |  独り言  |  論評  |  小話  旅行  | 御挨拶 ガーデニング   |  ブログ  |  English  | YouTube 

御挨拶   <-----  現在のページ                                                        


 

 

inserted by FC2 system