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 アンコールワット 

      「東洋のモナリザ」  

               2025年2月23日

モナリザの微笑み
男性ならば、「東洋のモナリザ」の前で感嘆の声を叫ぶにちがいない。「東洋のモナリザ」の微笑みに興奮した。
憧れの「東洋のモナリザ」は「デバター」と呼ばれる踊り子の一人だった。美人コンテストのように美を競い並んでいた。

「ルーブルのモナリザ」は謎の微笑みと慎み深い容貌が魅力的であるが、「東洋のモナリザ」は豊満なバストと妖艶な柔らかな腰つきで悩殺する。
軍配はどちらに揚がるのか。もちろん、「東洋のモナリザ」である。神秘で男心を揺さぶりエロチック。クメール文化はオープンで偉大だ。

どの踊り子たちも柔らかな曲線で彫られており、穏やかで優しさを感じさせる。まさに女性美の傑作。パリの踊り子よりもセクシーなポーズである。
「デバター」の豊満な乳房と妖艶なくびれた腰回りを熟視していたら今にも踊りそうで生々しい動き。特に両手指の動きは優雅で意味ありげで悩ましい動きを感じる。
アンコールの王族は毎夜、「東洋のモナリザ」に取り囲まれていたのだろう。

木彫りのようなレリーフ
赤色砂岩で造られたバンテアイ・スレイ寺院の浮き彫りのレリーフは、まるで木彫りの鎌倉彫のようだ。赤い漆を塗りこめて輝きがある。
物語はヒンドゥー教の神話の蛇神「ナーガ」や「シヴァ神」、インドの伝説「ラーマーヤナ」などが細かく彫り込まれている。
柔らかな砂岩といえ細々した飾りの細工は大変難しい。一部の失敗も許されない職人技を必要とするだろう。

アンドレ・マルロー
アンドレ・マルロー(Andre Malraux)はフランス人の作家(1901年〜1976年)であり冒険家そして政治家。彼はド・ゴール政権で長く文化相を務めた。 彼の代表作は『王道』や『人間の条件』がある。そのマルローがこともあろうに「東洋のモナリザ」を目当てにして遺跡盗掘し逮捕されたこともあった。 マルローも「デバター」の豊満な乳房と妖艶なくびれた腰に熱狂したのだろうか。西欧の哲学者や文化人はオリエンタルな雰囲気に酔うことも多い。
私は何度もピンク色した「東洋のモナリザ」を双眼鏡で覗いた。こんなにもセクシーな石像はビーナスにも勝るだろう !!

アンコールワットはクメール人の宇宙観を表わす巨大遺跡群ではないかと思う。 それはヒンドゥー教の天地創造神話を利用した巨大な石の劇場。

12世紀の王、スールヤヴァルマン2世はヒンドゥー寺院であると同時に、神と王がここに一体化し、自らを地上の神であると民に知らしめる。
民衆に王の偉業を示すためには絵巻物がどうしても必要になる。それを巨大レリーフの壁面を利用して回廊にビッシリと刻んだ。
それぞれの回廊は神話のテーマ別に分けられて交差している。実に巧妙に設計された回廊劇場といえる。 ギリシャやローマ神殿に見られない仕組みである。

左手に阿修羅、右手に神々が並び、大蛇ヴァースキの胴体を軸となる大マンダラ山に巻き付け、綱引きのように引っ張り合って、海をかき回す。
中央には指揮するヴィシュヌ神と山頂を支えるインドラ神の姿。天国と地獄は、死後の世界がテーマ。上段は天国に向かう王族の行列つ。
中段は審判を待つ人々、下段に地獄の様子が描かれている。水牛に乗った閻魔大王の裁判の様子や、地獄の刑罰の数々。
誰にも理解できる岩の芝居劇場といえるだろう。この思想は仏教世界でそのまま利用された。

アンコールワットのサンライズとサンセット ( 動画約3分)
  https://youtu.be/0ww2iAQ7kpY

「マハーバーラタ」はヒンズー教寺院の定番。古代インドの叙事詩で聖典「マハーバーラタ」の一場面を描いたもの。 いとこ同士2つの王家の戦闘シーンがテーマ。左からカウラヴァ軍が進み、右からパーンダヴァ軍が進撃。 「ラーマーヤナ」は、ラーマ王子と魔王ラーヴァナの戦闘が描かれている。矢を射るラーマ王子、猿軍団の奮闘である。

アンコールワットは岩石の塊でなくクメール文化の情報サイトである。

 (続き)

   「紅のカンボジア(クメールルージュ)」


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