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カメの庭 軽井沢 『見返り美人』 ギボウシと苔庭 2022年8月10日
小さな苔庭に「擬宝珠」が咲いた。
ギボウシと書けば親しみやすい。
まっすぐ伸びた茎は、乙女の細いうなじのようで気品がある。
その優美な茎先に筒状の花をいくつもつける。
ギボウシは、小さな1つの花を1日しか咲かせない。
花の命は短く、はかない。
それだからこそ愛おしくなる。
ギボウシは、木陰で涼しげな立ち姿を披露してくれる。
ふと振り向く和服姿を描いた美人画を見ているようだ。
ギボウシの苔庭は『見返り美人』のいる浮世絵になった。
自然のままの苔庭
日陰の山野草を育てたい。地味な里山のような景観にした。
山麓やカラマツの林の中で見つけた山野草を植えた。
出来るだけ自然のままの姿にして、素朴な緑の色彩でまとめた。
野草の葉は、様々な緑色になり緑のグラデーションを楽しめる。
ロックガーデン
キボウシやシュウカイドウ、斑入りイワミツバなど山野草を植え込み細い山道を造った。
周りに苔むした溶岩石を集め、積み上げてロックガーデンのような風情になった。
記念切手
『見返り美人』は1946年に記念切手として発行された。小学生の頃、私は新潟市に住んでいて切手収集が大好きだった。学校の帰り、新潟中央郵便局へ寄り道することが楽しみだった。
『見返り美人』の「見返り」の意味はよく理解できなかったが、緋色の衣裳を身につけた女性の姿に魅了された。今でも大切に保存している。
菱川師宣の浮世絵
17世紀の浮世絵師「菱川師宣」は、女性を美しく見せる演出法として、歩みの途中で後方に視線を送る姿を描いたという。「モナリザの微笑」にも匹敵できるような芸術性がある。
ギボウシのまっすぐ伸びた茎と薄紫の細い小さな花は、高貴で落ち着いた雰囲気を醸し出す。
これこそ苔庭の『見返り美人』であると妄想した。
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