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世界の旅 香 港 2024年1月15日
「愛とは豪華絢爛なもの」
彼女は待っていた。
深いスリットが入ったチャイナドレスを着て。
刺繍が施されたオレンジ色でとても素敵な衣装。
Love Is a Many Splendored Thing
愛とは豪華絢爛なもの
甘い歌の文句を並べてみた。そして映画『慕情』のシーンを思い出した。
「ヴィクトリア・ピーク」に登った。
眼下に無数の摩天楼が香港島と九龍半島に広がっている。
日没前の夕日が高層ビル群の後ろに輝いている。ロマンチックな気分になった。
古びたスターフェリーから香港の夜景を楽しんだ。映画と同じ景色に感動した。
55年振りに訪れた香港は様変わりしていた。
英国(ユニオンジャック)から中国(五星紅旗)に変わっている。
それで香港人は幸福になったかどうか、未来の歴史が語ってくれるだろう。
古きよき時代の香港は、私の大切な思い出としていつまでも仕舞っておこう。
その夜は夢の中で『慕情』の女医ハン・スーインとめぐり逢いできた。
映画『慕情』の予告編をみながら名曲を聴いてみよう。
(出典 YouTube 慕情 (ハングル歌詞つき) アンディ・ウィリアムス Love Is A Many Splendored Thing 高画質 https://youtu.be/gkq5H9utV_E)
ストーリーは単純である。なんとなく『マダムバタフライ』と似ている。曲まで「ある晴れた日」にソックリだ。
美貌の未亡人ハン・スーインとアメリカ人の特派員マークのラブロマンス。
朝鮮戦争の記者として戦死したマークと再びめぐり逢うことを願うという悲劇で終わる。女医ハン・スーインの夫は中国国民党(蒋介石)の将校で戦死。
中国本土は毛沢東率いる共産党に支配されつつあり、多くの難民が香港に殺到していた。
反共的内容なので『慕情』は、中国では受け入れてもらえないだろう。
『慕情』は1955年に公開された作品。出演:ジェニファー・ジョーンズ(ハン・スーイン)、ウィリアム・ホールデン(マーク・エリオット)である。美貌女優ジェニファー・ジョーンズは36歳、相手役のウィリアム・ホールデンは37歳だった。主題歌は多くの歌手によってカバーされているが、オリジナルはザ・フォー・エイセスの楽曲。
何回みても見飽きることのない映像と曲なので、高画質のデジタルリマスター版であらためて観賞してみる。
(出典 https://youtu.be/lPDngfrBdFk)
アヘン戦争のトラウマ
香港は1842年のアヘン戦争によって英国に割譲された屈辱の土地だった。
アヘン貿易により莫大な富を得る英帝国主義は決して許されるものではない。
だが、英国の香港支配は西欧化をもたらし自由と人権など民主主義を植え付けてくれた。そして香港は東洋の真珠として中継交易で繁栄した。
戦後1945年の香港は、中国共産党と中国国民党との内戦から逃れてきた難民で溢れていた。
香港人は、1949年の中華人民共和国の成立、1966年の文化大革命、1989年の天安門事件など大陸の歴史を注視してきた。
香港は、英国の統治下にあって資本主義と民主主義を謳歌してきたが、1997年に中国へ返還された。
こうした古き良き時代は終わりを告げた。
香港大学と「雨傘運動」 キャンパスは高層ビルに囲まれていた。
University of Hong Kongは、1911年に創立された世界屈指の名門大学である。
学生数は約2万人。卒業生には、中華民国を成立させた「孫文」がいる。
多くの学生たちは、「雨傘運動」と呼ばれる抗議デモに参加したそうだ。
そのデモは2014年の香港行政長官選挙をめぐって起こった。
それまで香港は「一国二制度」が認められて、香港のトップは選挙委員が選ぶものであったが中国政府の指名委員会から支持を受けなければ立候補ができないとされた。
これで香港の独立は完全に奪われた。多くの香港人は自由を求めてカナダやオーストラリアなどへ脱出している。
香港人の脱出の波は、二度あった。最初は1997年の中国返還である。多くはカナダに逃れた。バンクーバーはホンクーバーと呼ばれたこともある。
二度目は、これから始まるだろう。香港人はパスポートを複数所持しているという。
英連邦(British Commonwealth)があれば、英連邦に属するどこの国にでも行けるから安心だ。知人はロンドンを選んで活躍している。
春節 華人の正月
春節は、中国・中華圏における旧暦の正月(旧正月)である。全世界の華人にとって最も大切で伝統的な祝日となる。体制や思想は異なっても華人の絆は強い。 2024年は辰(龍)年なので、2月2日から7日間は旧正月で賑わう。龍の形にちなんだ飾り付けが街角に見られた。 道路や建物、家のあちらこちらを赤で飾る。香港人も「赤」は春節のメインカラーである。二階建バスも真っ赤だった。
香港人は大変親日的で、私たち老夫婦を大切に介護してくれた。誰でも英語を喋りフレンドリーに接してくれた。街角で微笑み、声をかけてくれた。
日本文化や日本食は人気があり、是非とも日本まで出かけていき楽しみたいという。 香港人は何事にも負けない活力があり、ビジネスセンスに優れた人々である。 日本での活躍も大いに期待したい。
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