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 ジャバ島 「仏跡とヒンズー教遺跡」を巡る  2024年2月14日

  妖艶な踊りだった。
   真っ赤なジャバ更紗の腰衣を巻き付けていた。
  手先の指が別の生き物のように優雅に動く。意味ありげだ。
   ガムランの響きに合わせて、滑らかに腰を振る。
    ジャバ舞踊の踊り子。

  

ジャバ島で仏跡とヒンズー遺跡を見物した。
ボロブドゥール遺跡(仏跡)とロロ・ジョングラン遺跡(ヒンズー教遺跡)である。 なんとなく不思議な気分だった。
今日のインドネシアはイスラム教徒が主体だからだ。
日常モスクからアザーンの声が聞こえて、人々はメッカに向けて祈る。

イスラム・ジャバ島でジャバ美人は誰もがスカーフを被っている。肌や足も見せてくれない。チャドルをスッポリと身に着けている。
あのセクシーな踊り子はヒンズー教時代の美女だった。
ボロブドゥール遺跡は世界最大級の仏教寺院である。興味深いことは「大乗仏教」。これは日本に伝わった大乗仏教と同じである。ビルマやタイなど東南アジアの「小乗仏教」と異なる。
8世紀に、早くも大乗仏教の王国(シャイレーンドラ朝)がジャバ島に存在していた。日本における大乗仏教の伝来は飛鳥時代(6世紀)だから、同じころにジャバは仏教国になった。
大仏様は奈良や鎌倉と違い正座しているのではなく、大きな椅子に腰かけていた。モダンなお姿。

  

立派な裸足を見せている。横たわる涅槃像は見たことがあるが椅子に座る大仏姿は初めて。大仏様は長い足で、やや股を広げていた。信者の話を熱心に聞いているという仕事スタイル。
ロロ・ジョングラン寺院は別名、プランバナン寺院群とも呼ばれている。
創造神ブラフマー、維持神ヴィシュヌ、破壊神シヴァの三大神を「三神一体」とするトリムルティ(Trimurti)。
キリスト教ならば、父(父なる神)、子(神の子キリスト)、聖霊を「三位一体」とするトリニティ(Trinity)。
「三神一体」と「三位一体」、多神教のヒンズー教と一神教のキリスト教との違いは面白い。
日本人にとり「三位一体」は厳し過ぎ、「三神一体」の方を好まれるだろう。万物神宿るという「万屋神一体」は日本のオリジナルといえる。なかなか知恵がある。 柔軟な信仰によって、宗教争いを出来るだけ避け仲良し日本文明を創り上げてきた。
あの踊り子の優雅な両手の動きは「観音菩薩」とソックリ。「観音さま」は踊り子だった。 「観音さま」は大慈大悲を本誓とし、人々を救済してくれる。

  イスラム世界のジャバ島で、あらためて仏教について開眼できた。

(動画 ケチャックダンスの映像 (3分) Youtube https://youtu.be/_xR-XlmLH3k )

 バリ島 「ケチャックダンスとバリ・ヒンズー教」 2024年2月19日

風が穏やかに吹き抜ける。
黄金色の夕焼けになり眼下にインド洋が広がる。
岩壁の上に野外劇場はあった。階段扇状のアリーナである。
大勢の男性が上半身裸の格好で円陣上に集まり、炎の明かりが舞台を照らす。

「チャッ、チャッ、チャッ」と大合唱は始まった。その調べは無伴奏で単調。
ケチャックダンスの物語は『ラーマーヤナ』に基づいている。それはヒンズー教の神話。 ヒンズーの踊り子は登場した。数人のダンサーたちがリズミカルに舞い始めた。 
白い猿神を演じる役者が観客席に紛れ込むなど、コミカルなシーンもあるから笑いで盛り上がる。ただ美女の表情は人形のように一切変えない。

バリ島住民は海洋民族だったのだろう。サモアやニュージーランドのマオリ族の踊りにも似ている。 アリーナは神秘のオーラで包み込まれた。バリ島は「神々の島」と呼ばれる。
一見したところインド発祥の「ヒンズー教」が主体であるというが、インド・ヒンズー教とは違う。
バリ土着の信仰と仏教やヒンズー教の影響を受けた独特の「バリ・ヒンズー教」を生み出した。 個人の家までが寺院の様式で、土地や祖先神へのアミニズム信仰は生きている。

宗教的な活動に多くの時間が使われている。バリ島では毎日、島のどこかで祭りが行われている。 ポリネシアなど海洋民族にとても似ているようだ。

遠くハワイからサモア、ニュージーランドまで広がるポリネシアと血のつながるバリ島の人々。
ヒンズー文化を取り入れたバリ島の文化、ハワイ・フラダンスよりも優雅なバリダンスであった。 バリ島はポリネシアの影響が残っている。

  

「ティルタンブル寺院」、「ウルワツ寺院」、「バトゥール寺院」、「タマランアユン寺院」などお寺を巡礼した。
バリ島は「神々の島」であったが今では「若者達の島」といえるだろう。ビーチはビキニ姿が溢れていた。
老夫婦にとり「終の島」といえる。終の棲家は椰子の木に囲まれて棚田に点在していた。
  そこで過ごす『ラーマーヤナ』の美女との日々を夢見た。

 


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