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日本の旅 奥只見と守門岳 「紅葉と白銀の世界」 2023年11月1日

   ものすごい豪華な紅葉。
      黄金の山肌、そして紅を写す湖畔。

 奥只見湖は黄金一色だった。奥只見ダムが造り出した人工の紅葉ではないかと疑う。
それは現実だった。尾瀬ヶ原を源流とする只見川をせき止めて、大きな奥只見湖が出現した。 紅の湖畔を遊覧船は静かに進んだ。只見川は尾瀬の至仏山や燧ケ岳から流れて来る。 水芭蕉の美しい池塘。さぞかし水は甘露に違いない。

 奥只見は複雑な山岳地域である。新潟県、群馬県、福島県に跨っている。
尾瀬ヶ原の裏で越後三山と会津の山々にに囲まれた山奥。
山々から無数の河川が源流となり谷間を流れていく。
只見川や黒又川などに注ぐ。水力発電には最適な地形なのだ。

   

(奥只見湖の絶景ポイントから撮影。黄金の紅葉を強調した。第一只見川橋梁を遠望する場所で鉄橋を渡る列車が川面にどのような姿になるのか、待ち構えた。)

奥只見湖の価値について勉強した。
その人造湖の面積は約11.5km2、貯水量は約6億トン。 東京都の小河内ダム(奥多摩湖)や富山県の黒部ダムの約3倍になる。 奥只見水力発電所の出力は国内最大の56万kW(約18万世帯の生活電力に相当)である。 驚いたのは、「黒4ダム」よりも強力なことである。しかも半世紀以上前1960年に完成したこと。
日本は高度成長期で良き時代だった。

 

  (観光地図であるが複雑な奥只見の地域を的確に表わしている。60年前に登った豪雪の守門岳を見つけた。)

 只見線は、福島県の会津若松駅と新潟県の小出駅を結ぶ全長約135kmの路線。只見川に沿ってゆっくりと走る。 雄大な山々が美しい。いくつもの鉄橋とトンネルを抜けて奥会津へと進む車窓からの風景。 只見川が水鏡となって風景が川面に写る姿や、水面から川霧が立ち橋梁を包む幻想的な景観が見られるという。
第一只見川橋梁は、大渓谷と鉄橋を渡る列車が川面にどのような姿になるのか、待ち構えた。待つこと20分。
 二両連結の気動車はやって来た。紅葉に包まれた橋梁をゆっくりと渡った。その姿が水面にクッキリと写っていた。

秘境ならではの、これぞ日本の圧倒的な原風景、「Cool Japan !!」と叫んだ。

 

  白銀の守門岳

 これは同じ奥只見の話。そこは白銀の世界だった。

かれこれ60年前になる。その頃はKWVでワンデリングを楽しんでいた。大学2年生だった。 荒沢岳(1969m)、中ノ岳(2085m)、越後駒ヶ岳(2003m)など越後三山と八海山(1775m)は夏に縦走した。
1964年4月に豪雪の守門岳(1538m)に登った。近くには浅草岳もあった。山頂近くは9mを超す積雪があった。早春は雪崩が多発した危険な雪山だった。
小出から破間川沿いに只見線に乗り、黒又川を渡り、浅草岳の山脈のトンネルを抜けると福島県の田子倉湖に出た。途中、入広瀬駅で下車したら2階建て民家の屋根まで積雪があった。リーダーのアッチラさんから発破をかけられた。仇名はアッチラ大王(フン族王)に因んでいた。冬山装備でキスリングは重く肩に食い込んだ。

   
(冬山の雪上訓練。ピッケルを並べて、みなさんアイゼンを付けている。二列目中央がカメ。前列左はリーダーのアッチラさん、その右にトンベ、ピグ、そしてカラヤンさん。その後ろはゴンサク、その左はピョコさん。アッチラさんの後ろはA君。この仲間の中で4名は故人になった。稜線を歩くとき、雪庇の落下に注意した。深い雪にはワッパ。なお、この同じメンバーで守門岳を登山したわけではない。雪上訓練は三国峠・平標山で行ったようだ。)

豪雪の守門岳は、大雪庇と樹氷広がる。
雪庇の落下に注意しながら雪道を進んだ。ピッケルとアイゼンやワッパを付け深雪のラッセルで苦労した。 奥に見える大きい山は越後三山。左の尖がったのが越後駒ヶ岳、右の平らに見える山が八海山。樹々の合間から見えた見事な雪山だった。
横を見ると綺麗に残ったウサギのかわいい足跡。佐渡の金北山(1172m)が遠望できた。

雪洞を掘り、一晩寝てみた。ウインパー型テントよりも暖かだった。
白銀の世界が大好きになった。当時よく歌った山歌。
 
  "雪の降るあのコール、グリセードで、

    あの人は来るだろうか花をくわえて。"

60年前の奥只見の守門岳。

                亡き友の笑顔を偲び捧ぐ

 


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