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世界の旅 ブルガリア・セルビア・モンテネグロ
「正教とイコン」 2023年11月28日
イコンという聖像画
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パソコンやスマホでも当たり前の操作になっている。
イコン(Icon)は正教では聖像や宗教的な物語を伝える聖像画になる。
正教会のイコンは平面画であり、板絵やフレスコ画からモザイク画まである。
ブルガリアのリラ僧院は天上から壁面までイコンだらけだった。平面画なので薄気味悪い顔になる。キリスト教の絵物語・紙芝居のような役割を果たしていた。あまりにも色彩豊かなイコンである。 大昔の人々は文字が読めなかったからイコンからキリスト教を理解したのだろう。
イコンは絵文字だった。
モーゼの十戒は偶像崇拝を厳しく禁じている。その経典を元にしてユダヤ教、キリスト教そしてイスラム教も偶像崇拝を禁じた。
「イコン」は偶像ではないか ?
東ローマ帝国は8世紀から9世紀前半まで「イコノクラスム」を実施した。
イコノクラスムとは、「聖像破壊運動」のことである。
正教教会はイコンだらけである。イコノクラスムを生き延びて独自に進化してきた。カトリック教に見られるマリア像や磔のキリスト像という立像は、正教では珍しい。
それにしても過剰なイコンの氾濫といえる。
イコンだらけの正教会は劇場のような雰囲気である。仏教やヒンズー教なども仏像など偶像を設置するが、こんなに賑やかではない。
なぜ宗教はイコンが必要なのか。布教はバイブルとコトバだけでは難しいのか。
イコンという紙芝居はキリスト教の布教にとり必要だった。
デチャニ修道院
そこはコソボにあるセルビア正教会の巨大な修道院だった。1327年にセルビア国王によって創建されたという。イスラム教徒の国コソボに存在するセルビア人にとり聖地といえる。セルビア人にとりさぞや悔しいだろう。ビザンチン様式のドームに初期ゴシック様式の窓、ロマネスク様式の柱など東西の様式の融合された建築である。
親切な修道院長は、フレスコ画に描かれたイコンで覆われた壁(イコノスタシス)について説明してくれた。
オストログ修道院
これは山岳信仰の神社・仏閣のようだ。
オストログ修道院は、自然と人々の信仰が生み出した秘境の聖地といえる。
標高約800メートルの断崖絶壁にオストログ修道院が建てられたのは17世紀前半頃。聖ヴァシリエというひとりの修道士により築かれた。
俗世と切り離されたこの地で、修道士たちは神と人々のために生涯を捧げたという。修道院に辿り着くには、細い山道を延々と登ってゆき、最後は自分の足で長い階段を登ってゆかなければならない。まさに巡礼と修行の聖地。
オストログ修道院は素朴なモザイク画だった。洞窟の壁面に細々とタイルを張り付けていく。中国・敦煌の莫高窟のような雰囲気だった。
● YouTubeのスライド動画(約3分)
「バルカン半島7か国の旅」
数十枚の旅の写真が自動的に表示される。音楽はバルカン半島諸国の民謡。
https://youtu.be/Ul_XnqwYziw
(続く)
(1) 「イスカンダル大王に会う」
北マケドニア・スコピエとオフリッド湖
(2) 「正教とイコン」
ブルガリア・セルビア・モンテネグロ
(3) 「火薬庫バルカン」
アルバニア・コソボ・ボスニアヘルツェゴビナ
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